1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09470248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小切 匡史 京都大学, 医学研究科, 助手 (60283595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 裕 京都大学, 医学研究科, 講師 (30216072)
井上 一知 京都大学, 医学研究科, 助教授 (90168435)
細谷 亮 京都大学, 医学研究科, 講師 (00139908)
今村 正之 京都大学, 医学研究科, 教授 (00108995)
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Keywords | 膵 / 内分泌腫瘍 / カルシウム / ホルモン分泌 / 細胞株 / 増殖因子 |
Research Abstract |
内分泌腫瘍におけるモルモン分泌機構をまずインスリノーマ細胞を用いて検討した。あらかじめ細胞内カルシウムプールを枯渇させておくと細胞外カルシウム濃度を上昇させてもインスリノーマ細胞からのインスリン放出は起こらず、また、電位依存性カルシウムチャンネル阻害剤は細胞外カルシウム濃度の上昇によるインスリン放出を抑制しなかった。このことよりインスリノーマ細胞が細胞外カルシウム濃度の上昇に反応して、細胞内カルシウムプールからのカルシウムの動員によりインスリンを分泌する可能性が考えられた。副甲状腺の濾胞細胞上に新しいcalcium-sensing receptorの存在することが最近報告されたが、我々は、ヒトインスリノーマ細胞にもそれに類似したカルシウム感受性受容体の存在することをSouthern blot法により明らかにした。さらに、ガストリノーマ細胞においても同様の検討をおこない、ガストリノーマ細胞にも高頻度にカルシウム感受性受容体の存在していることを確認している。上記の検討と平行し、我々は内分泌腫瘍細胞株の樹立をめざしている。まず,ヒトのガストリノーマ組織をヌードマウスの皮下に移植し観察を続けたとろこ、一匹において移植後約8週間で頬部に転移と考えられる充実性の腫瘤を形成した。現在、この腫瘤の詳細を検討中である。また、最近新たに発見された増殖因子であるベータセルリンの、内分泌腫瘍の増殖における意義に注目している。ベータセルリンはラ島内に存在することが報告されており、内分泌腫瘍組織におけるベータセルリンの存在を免疫組織染色法およびNorthern blot法により検索中である。
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[Publications] Pyo Hosotani: "Surgical management of endocrine tumor of the pancreas in Japan" Journal of Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery. 4・3. 295-303 (1997)
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[Publications] 小切匡史: "消化管ホルモン産生腫瘍" ホルモンと臨床. 45・10. 989-996 (1997)
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[Publications] Masayuki Kato: "Extracellular calcium sensing-receptors express in human insulinoma cells" Gastroenterology. 112・4. A451-A451 (1997)
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[Publications] 小切匡史: "外科手術のコツと落とし穴『内分泌外科』(分担執筆)" 文光堂(発表予定),