1999 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト前立腺特異的転写因子PSEの前立腺成立および発がん過程における機能の研究
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09470347
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
野崎 正美 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (30189394)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 恒治 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (10243239)
奥山 明彦 大阪大学, 医学部, 教授 (20093388)
西宗 義武 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (80029793)
野々村 祝夫 大阪大学, 医学部, 講師 (30263263)
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| Keywords | 前立腺 / 転写因子 / 腺上皮 / 癌細胞 / Etsファミリー / 翻訳制御 |
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| Research Abstract |
ヒトPSE遺伝子のクローニングと発現:我々は新規ヒトEtsファミリー遺伝子hPSEをクローニングした。hPSEmRNAは前立腺腺上皮特異的発現を示し、前立腺癌細胞株でも前立腺癌臨床サンプルでも高レベルで発現していた。
ヒトPSE蛋白質の発現制御:一方、hPSE蛋白質の発現を抗体を用いて調べたところ、正常前立腺上皮組織で発現していたが、癌化した前立腺や前立腺癌細胞株では発現していなかった。このことはhPSEmRNAからの翻訳は癌化に伴い抑制されることを示す。さらに、翻訳レベルでの制御はmRNAの非翻訳領域の配列によってなされることを明らかにした。
癌抑制達伝子Mlaspinの発現に対するPSEの役割:Maspinは癌細胞の転移浸潤を抑制する一種の癌抑制遺伝子で、PSE蛋白質と同じく正常前立腺上皮細胞で発現し、癌化に伴い発現が抑制される。そこで、Maspinプロモータ一に対するPSEの働きを調べたところ、PSEはプロモーター領域のEts結合配列に結合し、Maspin遺伝子の転写を活性化することが明らかとなった。この結果は正常前立腺上皮ではhPSEがMaspinの発現を促進し、癌化するとhPSEが消失した結果、Maspinが抑制されて癌化が進行する可能性を示唆する。
マウスPseのクローニングと解析:マウスPse遺伝子(mPse)をクローニングして、その構造を調べたところ、ヒトと同様に6個のエクソンがらなり、コードされるアミノ酸配列はヒト・マウス間で全体で86%、Etsドメインで98.8%一致した。 mPseは前立腺を含む生殖腺付属器官と消化管において発生過程から発現していた。このことはmPseが前立腺を含む臓器の形成さらには、成熟後の機能発現に対して重要な役割を果たす可能性を示唆している。
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[Publications] Nozawa, M. et al.: "Prostate-specific transcription factor hPSE is translated only in normal prostate epithelial cells"Cancer Research. 60. 1348-1352 (2000)
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[Publications] Yamada, N. et al.: "Cloning and expression of the mouse Pse gene encoding a novel Ets family member"Gene. 241(2). 267-274 (2000)
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[Publications] Shin, M. et al.: "Extent and zonal distribution of prostatic intraepithelial neoplasia in patients with prostatic carcinoma in Japan : analysis of whole-mounted prostatectomy specimens"Prostate. 42(2). 81-87 (2000)
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[Publications] Nakamura, J. et al.: "Significant changes in transrectal ultrasonic measurements of the prostate in relation to the degree of rectal wall distension"Ultrasound Med. Biol.. 26(1). 29-34 (2000)
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[Publications] Harada, Y. et al.: "Clinical study of brain metastasis of renal cell carcinoma"Eur. Urol.. 36(3). 230-235 (1999)
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[Publications] Tanaka, H. et al.: "Identification and characterization of a haploid germ cell-specific nuclear protein kinase (Haspin) in spermatid nuclei and its effects on somatic cells"J. Biol. Chem.. 274(24). 17049-17057 (1999)
