1997 Fiscal Year Annual Research Report
聴覚経路におけるレセプターの発現と内耳電気刺激の影響
Project/Area Number |
09470371
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久保 武 大阪大学, 医学部, 教授 (30107031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土井 勝美 大阪大学, 医学部, 講師 (40243224)
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Keywords | 人工内耳 / 動物モデル / グルタミン酸 / レセプター / ラセン神経節 / 可塑的変化 / 蝸牛神経核 / 上オリーブ核 |
Research Abstract |
現在我々は、人工内耳モデル動物としてカナマイシンを用いて聾としたラットを作成し、脳幹および内耳におけるグルタメイトレセプターの変化を観察することにより、失聴後の人工内耳埋め込みによる聴覚路の可塑性について研究を行っている。 ラットはSDを用い、カナマイシンを皮下に2週間投与し聾とし、そして投与後0、2、4、6、8週ごとに、GluR1、GluR2/3、GluR4、NR1、NR2の各グルタメイトレセプターの変化を捉えるために蛋白質、およびmRNAレベルでの解析を行っている。 最初に、蛋白質レベルでどのようにグルタメイトレセプターが変化しているか、大体の傾向を、各レセプターを認識する抗体を用いてスクリーニングを行った。組織免疫に用いる切片は4%PFAにて固定したラットを用いた。 我々の結果では、脳幹においてはGluR4、mGluR2/3において変化が見られ、蝸牛螺旋神経節においてはGluR2/3およびNR1において変化が見られた。そのためGluR2/3、GluR4、NR1についてmRNAレベルでの変化を捉えるためにcompetitivePCR法を用いて解析を行っている。mRNAの採取は、脳幹において蝸牛神経核だけのmRNAをとるため、1度切片にした脳幹より蝸牛神経核のみを取り出した後AGPC法を用いてRNAとした。蝸牛のmRNAは蝸牛をホモジュネートしたあと、脳幹同様AGPC法を用いてmRNAとしている。採取したmRNAより_cDNAを合成しcompetitivePCR法により定量を行っている。また蝸牛については、より正確な定量化を行うためにRNAプロテクションアッセイなどを用いて解析を行う予定であり現在その手法を確立しているところである。また蛋白質レベルでも、より正確な解析を行うため、蝸牛を用いたウェスタンブロッティング法を確立しつつあり、これから解析を行っていく予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hibino H, et al.: "An ATP-Dependent inwardly recifying potassium channel,K_<AB>-2(Kir4.1),in cochlear stria vascularis of inner ear." The Journalof Neuroscience. 17. 4711-4721 (1997)
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[Publications] Kajikawa H, et al.: "Expression of highly polysialylated NCAM(NCAM-H)in developing and adult chicken auditory organ." Hearing Research. 103. 123-130 (1997)
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[Publications] 久保武、井脇貴子: "小児の人工内耳" 小児耳鼻咽喉科. 18. 30-33 (1997)
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[Publications] 井脇貴子, 土井勝美, 久保武: "MPEAKコード化法とSPEAKコード化法間における言語聴取能の比較" Audiolpgy Japan. 40. 72-77 (1997)
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[Publications] Fujii K, Saika T, Yamamoto K, Doi K, Kubo T: "Advances in Oto-Rhino-Laryngology" S.Karger,Basel., 3 (1997)