1998 Fiscal Year Annual Research Report
多機能パノラマX線撮影装置による顎関節撮影法の考案
Project/Area Number |
09470412
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上村 修三郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (20028799)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 真一 徳島大学, 歯学部附属病院, 助手 (50284302)
工藤 隆治 徳島大学, 歯学部, 助手 (10263865)
竹内 徹 徳島大学, 歯学部, 助手 (70274248)
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Keywords | パノラマX線装置 / 顎関節 / 側面撮影 / 斜位撮影 / スリット幅 / 断層厚 |
Research Abstract |
本年度の主たる課題であるパノラマ装置のスリット幅の変化が画像に与える影響を検討するために,まず,レギュラー増感紙の前面のみを使用して散乱体のないメッシュファントムを撮影し,各種スリット幅を組み合わせた場合の断層厚を求めた。標準装備のスリットの組み合わせで撮影すると断層厚は約28mmであったが,カセッテ側スリット幅を20mmに固定し,管球側スリット幅を1.2mm,2.4mm,4.8mmと変化させた場合の断層厚はそれぞれ,6.1mm,3.4mm,1.5mmであった。また,管球スリット幅を1.2mmに固定しカセッテ側スリットを7mmにした場合の断層厚は9.2mmであった。 標準装備のスリットの組み合わせで撮影された臨床上のX線写真で解剖学的構造の現れ方を検討するとともに,ヒト乾燥標本および人体等価ファントムを対象に各種のスリットを組み合わせて撮影し解剖学的構造の現れ方を,閉口位顎関節側面撮影と軽度開口位顎関節斜位撮影について検討した。標準装備のスリットの組み合わせでは,断層厚が約28mmと厚いために種々の解剖学的構造が顎関節部に重なって投影された。とくに閉口位側面撮影では蝶形骨の斜台および中頭蓋底の厚い骨構造が下顎頭に重積し,顎関節の骨構造は観察できないことが多かった。しかし断層厚が約9.2mm以下となる撮影では,障害となる構造の重積はなく,顎関節の構造が観察できた。一方,斜位撮影では骨構造は明瞭に描出されたが,蝶形骨洞およびその外壁が下顎頭に重積し観察しにくいことがあった。 以上の結果より,側面撮影では断層厚が薄いほうが,また斜位撮影では厚いほうが適切であるが,被写体の位置づけなどの他の要素の状況を勘案してスリット幅を決定する必要がある。
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Research Products
(1 results)