1998 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌および口腔粘膜上皮細胞の増殖機構に対するサイトカインの影響
Project/Area Number |
09470457
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長山 勝 徳島大学, 歯学部, 教授 (30022867)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山之内 浩司 徳島大学, 歯学部, 助手 (30294705)
藤澤 健司 徳島大学, 歯学部, 助手 (40228979)
林 英司 徳島大学, 歯学部附属病院, 講師 (50173000)
鎌田 伸之 徳島大学, 歯学部, 助教授 (70242211)
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 分泌 / サイトカイン / 無蛋白培地 / 細胞増殖 |
Research Abstract |
現在ヒトの正常上皮角化細胞の培養は、牛脳下垂体抽出物(BPE)を主とした様々な増殖因子を添加した培地で行われることが多い。そこで我々は新規完全合成無蛋白培地PFM-7を開発し、口腔粘膜上皮細胞の増殖に対する影響を検討したところ、この培地は従来の増殖因子を添加した培地(Keratinocyte-SFM)と比較して、形態、増殖因子に対する反応、各種増殖因子(TGF-α、HB-EGF、Amphiregulin)およびその受容体(EGFR)の発現を変化させることなく口腔粘膜上皮細胞の増殖を支持した。これを用いて、同一患者由来の癌細胞と口腔粘膜上皮細胞を同一条件で培養することにより、両細胞の生物学的性状の詳細な比較検討が可能となった。 さらに我々は完全合成無蛋白培地中で継代培養している同一患者から分離培養した口腔扁平上皮癌細胞と口腔粘膜上皮細胞の対数増殖期におけるmRNAからcDNAを調整し、癌細胞で発現の上昇あるいは抑制の見られる遺伝子をサブトラクションライブラリー法を用いてクローニングした。これらのうち、正常細胞に特異的に発現している遺伝子は全長430bpのcDNAで、putativeなpolyadenylation signalを有しており、塩基配列とORFから予想された99個のアミノ酸配列は、S100蛋白との相同性を持っていた。さらに2組の正常-癌細胞のペアを含む数種の正常細胞と約10種類の口腔癌細胞における同遺伝子の発現をノーザンブロッティングにより検討したところ、多くの扁平上皮癌細胞でその発現の低下が認められた。同遺伝子の機能についても解析した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H Nakanishi: "The association of platelet-derived growth factor(PDGF)receptor tyrosine phosphorylation to mitogenic response of human ostcoblastic cells in vitro." Oral Diseases. 3. 236-242 (1997)
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[Publications] 林 英司: "同一患者から樹立した3種の口腔癌細胞株とその性状" 日口外誌. 43・11. 789-796 (1997)
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[Publications] 桃田幸弘: "口腔扁平上皮癌細胞の増殖に及ぼすサイトカインの影響" 四国歯誌. 11・1. 139-159 (1998)
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[Publications] 藤澤健司: "ウサギ口腔粘膜における創傷治癒遅延モデルの作製" 日口粘膜誌. 4・1. 54-62 (1998)
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[Publications] Toshiaki Hoteiya: "Expression of E-cadherin in oral cancer cell lines and its relationship to invasiveness in SCID mice in vivo." J.Oral Pathol.Med.(印刷中). (1999)