1998 Fiscal Year Annual Research Report
生体内化学環境の電気化学的イメージ化を指向する生体適合性分子修飾電極の開発
Project/Area Number |
09470494
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大森 秀信 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (90028845)
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Keywords | 修飾電極 / 生体適合性 / 蛋白質吸着 / HPLC分析 / 生体成分 / 電気化学分析 / グラッシーカーボン電極 |
Research Abstract |
前年度の研究結果に基づいて,最も生体内化学環境の電気化学的イメージ化への適用性を有すると判断されたHO(CH_2CH_2O)_3H(TEG)を用いて,陽極酸化処理法により修飾したグラッシーカーボン(GC)電極の特性を検討し,以下の結集を得た. 1. GC電極をTEG中酸化処理する場合,支持電解質としてHOCH_2CH_2SO_3Naを用いることによって,末端にカルボキシル基を有する親水性基[-O(CH_2CH_2O)_2CH_2COOH]がより効率よくGC表面に固定化され,得られた修飾電極は良好なカチオン性化合物選択性を示した. 2. TEG中での酸化処理に先立って,水溶液中で酸化前処理を行うことにより,カチオン性化合物がより低い測定電位において,未修飾電極に劣らぬ良好な感度の電流応答を示すことを見い出した.本修飾GC電極は,HPLCの検出器として用いた場合,生体試料中に含まれると予想されるヒト血清アルブミンをはじめとする種々の蛋白質の影響を受けることなく,長期間,安定に利用し得ることが明らかとなった. 3. 1で得たTEG修飾電極をDCC存在下,3,4-dihydoxybenzylamine(DHBA)あるいは4-amino-TEMPOと処理することにより,親水性の表面を有するDHBA固定化電極およびTEMPO固定化電極が作製できた.前者の電極を利用することにより,NADHを触媒的に酸化し得ること,また後者の電極を用いることにより,糖類を含む種.゙hの,アルコτル類.を触媒.的に酸化し得ることが明らかとなった.現在,他の機能性分子の電極表面への導入をも含めて,これらの生体成分分析への応用を試みている.また,電極表面修飾法の多様化を目的として,金電極表面の親水性化を検討し,m-HOC_6H_4O(CH_2CH_2O)_4Meの酸化的重合によるポリフェニレンオキシドフィルムによって修飾された金電極は蛋白質吸着に抵抗し,上記2で得られた炭素電極と同様の性質を有することを見い出した.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 山内雄二: "Electrochemical Detection of Alcohols and Carbonydrates at a Glassy Carbon Electrode Coated with a Poly(phenylene oxid)Film Containing Immabilized TEMPO" Chem.Pharm.Bull.45. 2024-2028 (1997)
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[Publications] 前田初男: "Novel Trends in Electroorganic Synthesis" Springer-Verlag Tokyo(S.Torii ed.), 4/461 (1998)