1997 Fiscal Year Annual Research Report
慢性疾患患者の主体性、自己決定とセルフケア推進のための患者教育方法の開発
Project/Area Number |
09470533
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
河口 てる子 大阪大学, 医学部, 助教授 (50247300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安酸 史子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (10254559)
下村 裕子 慶応義塾看護短期大学, 看護学科, 講師 (20216138)
小林 貴子 千葉県立衛生短期大学, 看護学科, 講師 (50279618)
土屋 陽子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (30125942)
丸橋 佐和子 大阪大学, 医学部, 助教授 (30030018)
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Keywords | 患者教育 / 行動変容 / とっかかり言動 / 自己決定 / セルフケア / 慢性疾患 / 共感 |
Research Abstract |
本研究の目的は、患者の主体性、自己決定を尊重した民主的な患者教育方法の構築であるが、今年度は第1段階の慢性疾患の患者教育に対する患者の反応パターン、教育担当者の患者の反応に対するアセスメントや教育技法等を分類・分析することである。 患者教育事例のフォーマット、分析枠組み、分析規準を作成し6医療施設において患者教育事例約120例を収集した。教育事例の対象疾患は、糖尿病、高血圧、腎疾患、癌等であったが多種に渡っている。事例記録はプロセスレコードとし、プロセスレコードは患者の反応を中心に場面・トピックごとに記載した。 分析は、特に患者の行動変容に結びつくきっかけとなった患者および看護婦の「とっかかり言動」とその後の看護ケア、教育方法の抽出である。分析には、1事例あたり5〜8名の研究者が担当し、2〜3時間かけて討議、分析した(総勢26名の看護研究者)。分析方法は、プロセスレコードに記載された患者教育事例を専門家による集団討議の形でなされ、その検討過程で分析者の経験から出された「言動、看護婦の判断、ケア」をも加えて抽出がなされた。 患者の行動変容に結びつくこととなった「とっかかり言動」と判断されたものに関して、患者の言動からは、患者の治療に対する感情や意向が表現されたものが多くを占めた。看護婦の言動では、患者のことばを「傾聴」「共感」しようとしている時に患者の行動に変化が見られた。しかし実際には、患者の行動変容の可能性を阻害した、あるいは阻害しそうになった言動が多数抽出された。ケアでは、患者が「それならやれそう」「やれるかもしれない」と表現するような方法を提示したとき行動変容が認められた。
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Research Products
(1 results)