1997 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者の障害進行に伴う苦悩・葛藤の特質と癒しへのカウンセリング導入の試み
Project/Area Number |
09470534
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
横手 芳恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80200905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門間 正子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40230180)
池田 光幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10159634)
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Keywords | 神経難病 / カウンセリング / 癒し / 神経難病看護 / インタビュー / 変性疾患 |
Research Abstract |
神経難病の疾病過程に特徴づけられた苦悩と葛藤の特質を明らかにするために、今年度当初は調査対象施設の研究協力者と、過去の看護記録をもとに、カウンセリングの導入対象について検討を重ねた。その結果、代表的な変性疾患であるパーキンソン病並びに脊髄小脳変性症と、筋萎縮性側さく硬化症では、症状経過の違いがケア状況を異にするだけでなく、患者や家族の疾病の受容・心的経過にも、異なる反応をもたらしているのではないかと想定された。 さらに、カウンセリングが必要と思われるケースについて、看護チームと検討会を持ち背景となる問題状況を分析した。その上で、患者・家族の了解を得て、ケース(2例)のカウンセリング(週1回)を開始し、現在、継続中である。この経過をその都度データ化し、概念的検討を加えている。 これに平行して、患者の心的表現の意味の概念を形成す上で、比較検討できるデータとして、看護者の経験する患者の心的葛藤場面を想起してもらい、その状況を自由に表現するインタビュー(テープ記録)を実施している。 現在のところ、患者の表出する苦痛に反応する看護者の表現には、その悩みの緩和に導けない苦痛・その悩みに立ち向かえない罪悪感となっている問題が前面にでてきている。 以上の、記述データが複雑化するために、質的データをコンピュータ処理する検討を専門家と検討している。
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