1998 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者の障害進行に伴う苦悩・葛藤の特質と癒しへのカウンセリング導入の試み
Project/Area Number |
09470534
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
横手 芳恵 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (80200905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
門間 正子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (40230180)
池田 光幸 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10159634)
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Keywords | 神経難病 / カウンセリング / 癒し / 神経難病看護 / ケアシステム / 変性疾患 |
Research Abstract |
神経難病専門病院に勤務する看護者に、患者の精神的問題に対応する上での困難体験を調査して、経験年令に差はあるが、患者に対処できない精神的問題が看護者の仕事の負担感と、患者に対する罪悪感となっている事が伺われた。そこで、今年度は施設全体の了解を得て、カウンセリングをケアシステムに独立した方式で導入し、入院患者を対象に3回の希望調査を実施した。自己表現できるなどの条件を持つ対象者の入院患者40〜50%が調査対象であるが、その約3割が不安や悩みを持っていると回答しており、結果として入院患者の約1割の希望者にカウンセリングを実施した. カウンセリングで表現された不安や苦悩を内容分析した結果、5つの主題(病気の進行・病気の先行き・関係性・生活への復帰・理解の要請)がみられた。各主題に表出された患者の思いは神経難病特有の病像によってもたらされたこころと生活への現われと思われた.カウンセリングを通して、患者への深い理解が看護の専門性に求められており、患者の自己理解に添った知識と技術の提供がケアシステムに導入される必要があると考えられる.そこで、カウンセリングの体験者に追跡調査して、入院時カウンセリングの意義を尋ねて神経難病看護の専門性を追求することとした. 次年度はさらに、各病棟からカウンセリング担当を選出し、今年の担当者とチームを編成して能力を高めながら実践し、ケアシステムに構造化する手がかりを得る予定である。
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