2000 Fiscal Year Annual Research Report
神経難病患者の障害進行に伴う苦悩・葛藤の特質と癒しへのカウンセリング導入の試み
Project/Area Number |
09470534
|
Research Institution | OKAYAMA PREFECTURAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横手 芳恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (80200905)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯本 暁子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (30275367)
中尾 美幸 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (00316126)
千田 好子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (10216559)
瀧川 薫 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教授 (80276873)
神宝 貴子 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助手 (40305777)
|
Keywords | 神経変性疾患 / 難病看護 / カウンセリング / 癒し / 感情体験 |
Research Abstract |
平成9年度に始まる本研究は神経難病患者特有の病気体験に伴う苦悩・葛藤を明らかにし、それを癒すカウンセリングを実践して、神経難病看護の専門性を追求するために昨年度までに次の研究活動を行った。札幌市内の神経難病専門病院の協力を得て、(1)カウンセリング・ニーズを探るための「患者の心理的問題」看護体験のアンケート調査(看護者22名が回答し事例数23例を分析)。(2)カウンセリングの実践(3回の希望調査による30名のカウンセリング)。(3)カウンセリング体験者の退院後の追跡調査(16名の郵送回答、6名の訪問インタビュー)。(4)神経難病専門看護者によるカウンセリングの試み(希望者8名の内、2名を担当し専門カウンセラーと合同のケース検討による実践的研修)。 以上の実践から、神経難病患者特有の苦悩・葛藤を癒すカウンセリングの意義と看護の専門性としてのカウンセリングの有効性を明らかにした。今年度はその成果について追跡調査をしたところ、当該施設では医療制度改革による入院期間の短縮を目指す外来看護と在宅訪問看護の強化が図られ、看護の専門性としてのカウンセリングは、入院から在宅療養の継続的な過程で機能すべき事が明らかになった。今年度はまた、異なる施設での看護カウンセリングの可能性を追求するために、岡山県内の神経難病専門病棟の協力を求めたところ、看護部門では神経難病看護の専門性が課題となっていた。そこで、神経難病患者ケアに伴う看護者の感情体験を明らかにし専門性を高める手がかりを探るために9名の看護者の面接調査を実施した。インタビュー・データを質的帰納的に分析し、感情体験の要素と構造を追求している。
|