1999 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子制御蛋白質によるRNAポリメラーゼ活性化の分子機構
Project/Area Number |
09480170
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
田中 勲 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70093052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西平 順 北海道大学, 医学部, 助教授 (30189302)
中川 敦史 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教授 (20188890)
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Keywords | 蛋白質結晶構造解析 / DNA結合蛋白質 / 転写因子 |
Research Abstract |
Escherichia coliにおいてturgor-pressureの調節機構に関わるレギュレーター蛋白質KdpEが認識するプロモーターに結合する,3つのOmpR変異体(G164C/E193V,G164C/E198G,E193K/S195F)が得られている.変異部分はいずれもDNA結合ドメインに見受けられたが,これまでに数多く行われていた生化学的実験により予想されたDNA認識ヘリックス上ではなかった.既に得られているOmpR-Cの立体構造を元に,これら変異部位の位置を確認したところ,変異部位はα1ヘリックス上流(G164)及びα2-α3ループ(E193,S195,E198)に存在し,それらが非常に近い位置に存在した.この事から,これらアミノ酸残基の変異による立体配置の変化がプロモーター認識に影響を及ぼしていることが予想され,OmpRファミリーが分子の広い部分でもってDNA配列の認識を行っていることが示唆された.よって,これら変異体のDNA結合ドメインの立体構造を解明し,既に得られているOmpR-Cの立体構造と比較検討する事により,OmpRファミリーによる複雑なプロモーター配列認識機構について,構造学的側面から知見が得られると考えられた.そこで,これら変異体の立体構造解明に向けて,目的蛋白質の精製・結晶化,並びにX線回折データーの収集を行った.kdpプロモーター認識OmpR変異体DNA結合ドメインの遺伝子を組み込んだ大腸菌から,高純度の目的蛋白質を精製した.このサンプルを限外濾過法により濃縮,結晶化を行ったところ,蛋白質濃18mg/ml,0.1M Tris pH8.0, 10% PEG8K 20% Glycerol, 18℃の条件において,結晶を得ることに成功した.この結晶を用いてのX線回折データー収集を,高エネルギー加速器研究機構放射光施設Photon Factoryにおいて行った.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T. Tominaga, et al.: "High-Resolution Crystals of the HU Mutant K38N from Bacillus stearothermophilus"J. Struct. Biol.. 125. 86-89 (1999)
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[Publications] S. W. White, et al.: "The high-resolution structure of DNA-binding protein HU from Bacillus stearothermophilus"Acta Cryst.. D55. 801-809 (1999)
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[Publications] F. Saitoh, et al.: "Arginine-55 in the β-Arm is Essential for the Activity of DNA-Binding Protein HU from Bacillus stearothermophilus"Biosci .Biotech. Biochem.. 63・12. 2232-2235 (1999)