1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09490020
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
日置 弘一郎 京都大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (70114022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島本 みどり 東邦学園短期大学, 商経学科, 教授 (80105254)
守田 峰子 日本福祉大学, 経営学部, 助教授 (90200427)
三井 泉 帝塚山大学, 経済学部, 教授 (00190679)
小川 真理 熊本学園大学, 商学部, 助教授 (80271443)
宇野 斉 流通科学大学, 情報経営学部, 助教授 (70262491)
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Keywords | 女性事務補助職 / 頼まれ仕事 / 職場内パワー / コンティンジェンシーレギュレイター / 機会主義 / 家力自 / 旅館おかみ |
Research Abstract |
女性事務補助職についての複数のアプローチを試みた。初年度は文献研究と女性事務補助職と、企業の人事部に対する聞き取り調査を行った。この結果、一般に女性事務補助職は定型的な業務を遂行していると考えられていたが、標準化された作業が多いものの、割り当てられた固有の職務を遂行しているよりも、むしろ、他の社員の補佐的業務が不定形に割り当てられるケースがみられた。「頼まれ仕事」と呼ばれ、男性社員の業務を個別に補佐する。この意味で、女性事務補助職の業務はルーテインではなく、変化が多い。このために、男性社員に対してある種のパワーを持つことが確認された。女性事務補助職の協力を得られるか否かで仕事の効率が変わる。このことが、女性事務補助職にコンティンジェンシー(不測事態)レギュレイターとしての性格を付与し、職場でのパワーを与える。 女性事務補助職のキャリア意識として機会主義的態度が多くみられ、長期の目標を実現するよりも、状況に即して自分の価値や目標を修正することが行われるる。特に結婚に関しては、相手次第でキャリアコースの変更が行われることを当然と考えている。この機会主義の理論化が必要であることが明らかになった。 また、二年次では女性事務補助職が仕事のモデルを持たず、女性としてのジェンダーに影響された形でのモデルが中心であったが、総合職以前の女性ジェンダーに即した働き方のモデルから、均等法が施行され、新たなモデルを必要としていることも明らかである。このモデル喪失の状況から、女性の働き方のモデルを追求するために、日本社会の伝統的な女性管理者の類型としての家刀自を考えた。この家刀自に相当する現在の職業として旅館のおかみを取り上げ、おかみの管理の様式を研究した。この結果、おかみもまたコンティンジェンシーレギュレイターとして機能しており、女性事務補助職の働き方のモデルとして用いることが可能であることが示唆された。
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Research Products
(2 results)