1998 Fiscal Year Annual Research Report
情報化・高齢化社会における都市構造の再編と交通政策に関する総合研究
Project/Area Number |
09490030
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
松澤 俊雄 大阪市立大学, 経済研究所, 教授 (80113059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長尾 謙吉 , 講師 (50301429)
藤井 輝明 , 助教授 (00209008)
小長谷 一之 , 助教授 (50225463)
徳岡 一幸 同志社大学, 経済学部, 教授 (40163969)
綿貫 伸一郎 大阪府立大学, 経済学部, 教授 (90128778)
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Keywords | 都市圏 / 通勤流動 / 高齢化 / 情報化 / 都市圏人口 |
Research Abstract |
21世紀にかけて生産年齢人口の低下、高齢化、長期的低経済成長、情報化の進展などが見込まれるなかで、その社会・経済構造の変化に対応した最適な都市構造・都市交通体系の研究を行い、その実現に向けて基盤整備や運営上の政策課題を追求・提示することが当研究の目的である。本年度は、研究初年度における都市経済・都市交通のデータ収集およびその把握をもとにして、インフラ整備を含む諸々の経済変数を取り入れた都市圏経済の連立体系モデルを構築した。同モデルでは、都市圏における従業者数(労働需要)と中心都市対周辺間における通勤流動量(従業-居住パターン)が内生的に求められ、将来の都市構造や人口・年齢構成も推定可能であり、研究本来の目的達成に向けて進展が見られた。さらに、従業地-居住地の配置についての動態的・計量的分析のための手法(サブモデル)の開発にも努め、これまで形成したデータベースを用いてパラメータの推定作業を進行させている段階である。本年度は独自の研究会を7回開催するとともに、他の研究会と3回の共催の機会をもった。 研究メンバーは上に述べた研究活動への従事の他に、関連する個別的テーマでの研究活動をも深化させた。松澤は都市交通の社会的費用と混雑問題についての研究を国際学会で報告した。 徳岡と綿貫は、「標準大都市雇用圏」という新たな視点から都市圏を捉え直し、都市化の進展を分析する上での1つの足がかりを築いた。藤井は都市圏集積経済の根元的なミクロ的要因である接触の経済を確率論から導出する準備として、集中と分散についての要因研究を行った。 小長谷と長尾は情報通信手段の発達や高齢化の進展による時間価値の変化と居住地配置のトレンドの変化の分析をおこなった。これらの研究成果は、それぞれ論文として公表された。
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[Publications] 松澤俊雄: "ロードプライシング適用の妥当性:道路交通の社会的費用" 『季刊経済研究』. 第21巻4号(未). (1999)
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[Publications] 徳岡一幸: "1995年国勢調査結果にもとづく標準大都市圏とその課題" 同志社大学経済学部 Working Paper. No.7. 1-19 (1998)
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[Publications] 小長谷一之: "都市経済基盤からみた都市再生戦略" 『季刊経済研究』. 第21巻2号. 1-24 (1998)
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[Publications] 小長谷一之: "情報産業による市街地活性化" 『都市問題研究』. 第51巻5号(未). (1999)
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[Publications] 藤井輝明: "為替変動についての総計的研究" 『証券研究年報(大阪市立大)』. 13号. (1998)