1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09551005
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
山本 正和 椙山女学園大学, 人間関係学部, 教授 (70200839)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蘭 由岐子 九州女子大学, 家政学部, 専任講師 (50268827)
加茂 陽 広島女子大学, 生活科学部, 教授 (30099676)
鰺坂 学 同志社大学, 文学部, 教授 (60135960)
蘭 信三 京都大学, 留学生センター, 助教授 (30159503)
飯田 剛史 富山大学, 経済学部, 教授 (10127045)
|
Keywords | 都市移住 / 同郷団体 / 県人会 / 戦友会 / 過去の生活への回想 / ノスタルジア |
Research Abstract |
本研究は、平成8年の「都市移住者の定住に関する総合的研究」(愛知大学・交野正芳教授代表、課題番号04301024号)の研究成果を受けて、そこからほぼ同じ研究者グループにより、より新たな研究を目指すものである。その中の中心的な課題として、都市社会内部に広く存続している、自分の出身地を同じくする者の結成した団体として、同郷団体を実態的に調査しようとするものである。今年度は第一年度であるため、研究代表者の山本は、従来までの研究系譜について文献的な研究と、今まで、本研究グループにより蓄積されてきた調査資料の整理作業を行なった。とくに、故同志社大学教授松本通晴氏によって行なわれてきた全国の同郷団体の調査資料は膨大なものであり、その検討と再集計さらに点検整理に学生補助員が携わり、今後の研究のための基盤ができた。飯田剛史分担者は、大阪における韓国出身者の同郷的な結びつきの中に見られる意識や心性について考察を行なっており、そのための調査として大阪での聞取りを行なった。分担者の蘭信三は、同郷団体を歴史的な方向の中に探り、旧満州移民者の帰国後の結合体のあり方に研究を行なっている。蘭の研究は以前の『満州移民の歴史社会学的研究』(平成8年)を土台として、現在においても全国に散在する旧満州出身者の「同郷」団体に焦点をあてて質的な実態的事例的研究を続けた。次年度は全体的なアンケート調査に入る。同鰺坂学は、大阪市の浴場経営者の中に強く見られる石川県出身者の同郷団体について調査した。これは郷里を同じくするだけでなく職業的な統合性にも関連する研究である。加茂陽は、地方出身者の中の高齢者について、さらに蘭由岐子はハンセン氏病患者の中の地方出身者の中に見られる、過去の生活への意識またその結びつきについて調査した。次年度はこれを成果として、さらにアンケート等の数量的研究を目ざす予定である。
|