1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09554001
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長瀬 道弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70034733)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守本 晃 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (50239688)
森藤 伸哉 奈良女子大学, 理学部, 講師 (30273832)
芦野 隆一 大阪教育大学, 教育学部, 助教授 (80249490)
藤原 彰夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30251359)
杉本 充 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60196756)
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Keywords | 多重ウェーブレット / 擬微分作用素 / 画像処理 / 通信理論 / L^2(R^n)-空間 / 完全正規直交系 |
Research Abstract |
本研究はある意味で純粋数学的な研究課題であっても、実用的な分野に適用が可能であることを探るという目的が含まれている。この研究に関しては、開始年度と言うこともあり、今年度は主として情報の収集やすでに数学を実用に利用している数学者を招待して本研究のレビューを受け、あるいは情報を得ることなどに一つの力点を置いた。その一つとして、カナダ・オタワ大学教授マクドナルド氏を招待して、本研究に関しその有効性についてレビューを受けるとともに、同氏の最近の研究課題である待ち行列理論や大偏差理論の電話回線の効率的な利用への応用などについての情報を得た。また、ウェーブレット理論が通信技術に応用可能であるかどうかについて説明を受けた。さらに、研究分担者の一人である森藤伸哉氏を、オタワ市に派遣しオタワ大学を拠点に、カナダの政府機関Communication Research Centerの中でウェーブレット理論の応用技術者群に対して本研究に関する討論を行いレビューを受けた。 さらに、画像処理や通信理論への実用を試みるための計算機を購入し来年度以降につなげる準備を行った。数学的には1次元の空間でのウェーブレット理論はかなり充実しており、また歴史的な経緯からその工学的な応用についても様々な局面で行われている。本研究の課題名の中の「多重ウェーブレット理論」は空間次元が2以上のものを言うが、これについては、数学的にもあるいは工学的な応用についてもいまだにあまりなされていないのが現状である。 この現状を考えて、今年度は情報収集や研究の位置を知ることに重点をおいたために、研究成果は数学的あるいは理論的には不満足な結果に終わったが、関連してすでに得られていた研究成果は京都大学数理解析研究所で11月に行われたシンポジウム「偏微分方程式の解の構造の研究」において、研究分担者である芦野隆一氏と共同発表を行った。
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