薄板および極薄板材料のフレキシブル曲線スリッテイング装置の試作とその応用

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09555042
• Research Institution: Kyoto Institute of Technology
• Principal Investigator: 山口 克彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027805)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 高倉 章雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40163183)
• Keywords: 塑性加工 / 板材成形 / せん断加工 / 新加工プロセス / 知能機械 / FMS

Research Abstract

本研究では,圧延ロールと鋼細線を工具とした新しい板材のフレキシブル曲線スリッテイング装置の試作を行い,この方法を実用化する際の問題点について検討する.
本年度は,昨年度試作された曲線スリッテイング装置を使用して,金属極薄板の曲線スリッテイング加工,多列曲線スリッテイング加工,プラスチック板,合成皮革,紙などの曲線スリッテイング加工および板材の曲線溝付け加工を行い,その加工条件を検討した.その結果,新しく得られた知見は次のとおりである.
(1)板厚100μm以下の金属極薄板(アルミ,銅,軟鋼,ステンレス)の曲線切断も良好に行うことができる.極薄板の場合には,使用する鋼細線の直径を小さくできるので,ロール入り口における鋼細線の移動操作が容易であり,また,切断面に残る鋼細線の形状が小さくなり切断面形状が良くなる.(2)ロール入り口に複数の鋼細線移動装置を取り付けることによって,多列の曲線切断も単列切断の場合と同様に良好な切断が可能である.また,ロール入り口での鋼細線の移動をコンピュータで制御することによりテーパ形状,左右対称な曲線形状の切断も可能である.(3)プラスチック板,合成皮革,紙についても,なんの問題もなく金属板と同様に良好に曲線切断できる.(4)断面が円形,四角の鋼細線を使用して,板面上に鋼細線の断面形状に対応した直線または曲線溝付け加工(異形断面板の製造)を行うことができる.良好に溝付け加工を行うには,板材を約10%程度圧延する必要がある.さらに,溝付け加工によって成形された溝に鋼細線を挿入して,その後圧延することによって,鋼細線が埋め込まれた板(ワイヤ補強板材)の製造も可能である.

Research Products

• [Publications] 山口 克彦: "圧延ロールと鋼細線を工具としたフレキシブル板材加工(ワイヤ補強アルミニウム板材の製造)" 平成10年度塑性加工春季講演会講演論文集. 513-514 (1998)
• [Publications] 山口 克彦: "圧延ロールと鋼細線を工具としたフレキシブル板材加工(ワイヤ補強アルミニウム板材の製造における埋め込み条件の検討)" 第49回塑性加工連合講演会講演論文集. 11-12 (1998)