1997 Fiscal Year Annual Research Report
液相法による層間化合物の合成と多孔性フィルターへの担持
Project/Area Number |
09555277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 信一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
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Keywords | 均一液相法 / 準安定相 / 無機合成 / 層状化合物 |
Research Abstract |
セラミックス系素材は原料酸化物および炭酸塩などの固相反応に依って合成されてきた。しかし固相反応は原料粉体間における相互拡散が反応を律速しするために、合成には高温高圧や長い反応時間を必要とし、また成形体を得ることも容易では無かった。これに比べて液相中では原料の相互拡散は速く、このために温和な条件下においても合成が可能で、担体との反応も問題になり難く担持などの形態付与も容易であると考えられる。 本年度は水溶液中における均一混合状態をできる限りそのまま生かして、酸化物を低温合成する可能性を調べた。ZnOはごく少量のAl^<3+>、Ca^<3+>などを置換固溶させることによって、ITOに替わる透明導電体になることが期待されている。ZnO-In_2O_3系においては層状の結晶構造を持つ(ZnO)_mIn_2O_3も透明導電性をもつと考えられて研究が始まっている。固相反応では1400℃程度の高温で焼成することによって、また薄膜はスパッタ法によって合成されている。本研究ではZnおよびInのこの混合硝酸塩水溶液に対してクエン酸を添加して、攪拌濃縮して粘りけのある液状にしたのちに焼成した。600℃付近から既に長い積層間隔をもつ準安定なm値の大きな(ZnO)_mIn_2O_3が生成し、導電性も高いことを見出した。基板にディップコートすることによって、薄膜も合成できた。またアルミナはジルコニアなどを粒界に少量析出させることによって、機械的な性質が大きく改善されることが知られている。分散させるジルコニアに逆にアルミナを少量含有させると、準安定な立方晶ジルコニアの得られることを見出した。この合成においても、オキシ塩化ジルコニウムおよび塩化アルミニウムの混合水溶液を出発原料とするところから、アンモニアを添加したアモルファスな共沈の局所構造について、X線吸収スペクトルなどを測定することに依って調べ、更に均一な原料調製法を検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Kikkawa: "Titanium disulfide thin film prepared by plasma CVD for lithium rechargeable battery" Ceramic Inter.23. 7-11 (1997)
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[Publications] K.Adhikary: "Preparation and electrochemical lithium intercalation of V_2O_5 porous lump with large surface area" Sclid State Ionics. 99. 53-60 (1997)
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[Publications] S.Kikkawa: "Soft chemical preparation and electrochemical oxygen-doping of La_2 Can-1 Cun C_<n+2>" J.Mater.Res. 13(印刷中). (1998)
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[Publications] 吉川信一: "無機層状物質の創製に関する研究" 粉体および粉末冶金. 45. 13-19 (1998)
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[Publications] 吉川信一: "インタカレーション材料の形態制御" ニューセラミックス. '98・4(印刷中). (1998)