1998 Fiscal Year Annual Research Report
液相法による層間化合物の合成と多孔性フィルターへの担持
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09555277
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
吉川 信一 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (10127219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 昌男 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (00188054)
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Keywords | 液相合成 / ハイドロタルサイト / 二酸化炭素分離 / 多孔体 / フィルター / タングステン酸 / メゾ複合体 |
Research Abstract |
セラミックス系素材は原料酸化物および炭散塩などの固相反応に依って合成されてきた。しかし固相反応は原料粉間における相互拡散が反応を律速するために、合成には高温高圧や長い反応時間を必要とし、また成形体を得ることも容易ではなかった。これに比べて液相中では原料の相互拡散は速く、このために温和な条件下においても合成が可能で、担体との反応も問題になり難く、担持などの形態付与も容易であると考えられる。 本年度は、塩化マグネシウムおよび塩化アルミニウムとNaOHの混合水溶液から生成した共沈ゲルを熟成して、0.2<Mg/(Mg+Al)<0.35の組成域においてハイドロタルサイト様化合物を得た。代表的な組成であるMg/(Mg+Al)=0.25について、熱的な挙動を調べた。500〜800℃の温度範囲における分解生成物はMgO-Al_2O_3固溶体であり、その温度域以上ではMgOとスピネルが結晶化した。前者の分解生成物を炭酸ナトリウム水溶液に浸すと、ハイドロタルサイト構造を回復した。多孔質アルミナ管の1μm以上の直径をもつ細孔中には、ハイドロタルサイトゲルを担持できた。ハイドロタルサイトを担持した多孔質管は、雰囲気中から可逆的にCO_2を吸収した。このCO_2,吸収挙動は湿度によって影響された。 またアルキルアンモニウムのメゾ集合体が共存する水溶液中においてタングステン酸を析出させ、メゾ集合体を鋳型としたタングステン酸が得られた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] K.Adhikary et al.: "Some new aspects of LT-lithium cobalt oxides prepared through citric acid precursor ronie" Mater.Res.Bull.33. 1845-1856 (1998)
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[Publications] S.Kikkawa et al.: "Formation of tangstic acid in alkyl-ammonium Aguiarius solution" Solid State Ionics. 113〜115. 403-406 (1998)
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[Publications] 吉川信一ら: "均一液相法によるZnO-In_2O_3系透明導電物質の低温合成" 粉体および粉末冶金. 46. 189-193 (1999)
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[Publications] 吉川信一ら: "インタカレーション材料の形態制御" ニューセラミックス. 11. 21-24 (1998)
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[Publications] 吉川信一ら: "ハイドロタルサイト担持フィルターによるCO_2の可逆分離" 粉体および粉末冶金. 46(印刷中). (1999)