1998 Fiscal Year Annual Research Report
新規ラジカル消去系による抗疾病食品素材の開発とその生体系での機能検証・応用
Project/Area Number |
09556025
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
五十嵐 喜治 山形大学, 農学部, 教授 (00111336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 明弘 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (60034633)
大久保 一良 東北大学, 農学部, 教授 (00005612)
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Keywords | 微弱発光 / ラジカル消去 / カテキン / 活性酸素種 / 味噌 / 大豆 / 乳がん / SOD |
Research Abstract |
X(活性酸素種)、Y(触媒種)およびZ(受容種)はin vitroにおける共存下で微弱発光を示し、その発光強度は系全体の抗酸化能と密接に関連することを昨年度明らかにされた。したがって、食品素材に含まれるY、Z成分は生体においても強い酸化防御機能を示すことが期待できる。一方、生体成分そのものがY、あるいはZとして作用し、生体を酸化から防御している場合も想定できる。10年度は食品素材Y成分の微弱発光能と生体酸化防御機能との関連、生体成分からのY、Z成分の探索、さらには腫瘍抑制成分としても作用するY、Z成分単独あるいは乳癌特効薬との併用が示す細胞増殖抑制活性について検討を行い、次のような結果を得た。 1. パラコート酸化ストレス負荷ラットにY成分としてのカテキン類を給与したところ、強い微弱発光を示すエピカテキンガレートが微弱発光能の弱いエピカテキンに比べて強い生体酸化防御能を示すこと、また、防御能は用量依存的に増大することが明らかとなった。 2. ヘモグロビン、シトクロームc、ペルオキシダーゼ、SOD、カタラーゼなどは典型的なZ成分として作用してリノール酸の自動酸化を促進するが、典型的なY成分との存在下ではむしろアンチオキシダントとしての作用することが明らかになった。また、血漿、味噌、醤油、アミノカルボニル反応物には未確認のY、Z成分の存在することが明らかになった。 3. ヌードマウスにヒト乳癌細胞の移植を行い、味噌、あるいは味噌成分のビオカニンAの単独投与、あるいはそれらの乳癌特効薬タモキシフェンとの併用投与が細胞増殖に及ぼす影響について検討し、味噌、ビオカニンAには予防効果のある可能性を示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Igarashi et al.: "Comparison of the protective effects of epigallocatechin gallate,epicatechin gallatc and cpicatcchin on paraquat-induccd oxidaitvc strcss in rats-" Food Sci.Techonol.Res.5.1 in press. (1999)
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[Publications] 大久保 一良: "大豆および大豆食品の活性酸素ラジカル消去能" Food Style. 21. 36-40 (1998)
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[Publications] K.Okubo et al.: "Chemiluminescence of horseradish peroxidase and acetaldehyde related with gallic acid and hydrogen peroxide interaction" Photochemistry and Photobiology. 68・6. 802-808 (1998)
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[Publications] K.Okubo et al.: "Relationship between chemical structures and biological activities of triterpenoid saponins from soybean" Biosci.Biotechnol.Biochem.62・12. 2291-2299 (1998)
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[Publications] A.Ito et al.: "Chcmoprcvcntion of N-nitorso-N-mcthylurca-induccd rat mammary carcinogenesis by soy foods or biochanin A" Jpn.J.Cancer Res.89. 137-142 (1998)
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[Publications] A.Ito et al.: "Chemoprevention of N-nitorso-N-methylurea-induced rat mammary cencer by miso and tamoxifen,alone and in combination" Jpn.J.Cancer Res.89. 487-495 (1998)
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[Publications] A.Ito et al.: "Chemoprevention of N-nitorso-N-methylurea-induced rat mammary cencer by miso and tamoxifen,alone and in combination" Jpn.J.Cancer Res.89. 487-495 (1998)"乳癌基礎研究"