1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNA分析技術を利用した新たな林木育種システムの構築-DNA分子マーカーによる家系管理技術を用いた次代検定システムを中心として-
Project/Area Number |
09556032
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白石 進 九州大学, 農学部, 助教授 (70226314)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 一幸 九州大学, 農学部, 助教授 (10045130)
高田 克彦 九州大学, 農学部, 助手 (50264099)
栗延 晋 農林省林木育種センター, 九州育種場, 主任研究官
太刀川 寛 王子製紙, 岩国技術研究所, 研究員
柴田 勝 王子製紙, 森林資源研究所, 研究員
|
Keywords | 林木育種 / DNA分子マーカー / 親子鑑定 / 品種識別 / 育種戦略 / 父性遺伝 |
Research Abstract |
DNA分析技術を導入した効率的な育種システムを構築する上で必要不可欠となるDNA分子マーカーの開発を行った。 1. RAPD-SCARマーカーの開発とこれを利用した品種識別法の開発:スギにおいて、さらに24個(昨年度との合計で48個)のRAPD(random amplified polymorphic DNA)フラグメントを選抜し、その塩基配列を決定し、SCAR(sequence characterized amplified regions)化を行った。SCARの欠点を克服するため、一度に多数(9個)のマーカーの分析を可能とするmultiplex-PCR(polymerase chain reaction)における増幅条件について検討を行った。2組(各組9マーカー)のmultiplex-PCRを行うことにより、全18マーカーのDNA型から約26万品種の識別が可能となった。これにより、高い信頼性をもつスギ品種識別システムが確立された。さらに、熱帯早成樹種であるアカシアマンギウムについても同様なシステム開発に着手した。 2. 葉緑体DNAにおける種内変異の探索:塩基配列上の1塩基置換を検出するBESS(base excision sequence scanning)T-Scan分析とCFLP(cleavase fragment length polymorphism)分析を導入し、クロマツの葉緑体DNAの種内変異のスクリーニングを行った。その結果、遺伝子間スペーサー領域に変異のあることを確認した。葉緑体DNAは父性遺伝するため、葉緑体DNAマーカーは父親個体の同定に有効であり、今後、大規模なスクリーニングにより、さらに多くの種内変異が検出できる可能性が示された。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 宮原春彦: "マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ採種園構成クローンとしての小浜ク-24号の評価" 日本林学会誌. 80・3. 233-235 (1999)
-
[Publications] 久枝和彦: "DNA分子マーカーを用いた簡便なスギ品種の分類・同定法の開発" 日本林学会九州支部研究論文集. 52 印刷中. (1999)
-
[Publications] AYPBC Widyatmoko: "アカシア4種の葉緑体DNA遺伝子間スペーサー領域の塩基配列多型" 日本林学会九州支部研究論文集. 52(印刷中). (1999)
-
[Publications] 林 誠一: "スギの高密度連鎖地図の作成へ向けた基礎的研究" 日本林学会九州支部研究論文集. 52(印刷中). (1999)