1997 Fiscal Year Annual Research Report
ポストCCAとしてのキトサン金属塩系木材防腐剤の実用化
Project/Area Number |
09556038
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
古川 郁夫 鳥取大学, 農学部, 教授 (50032313)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 智紀 ケミプロ化成株式会社, 木材関連事業部・開発技術部, 主席研究員
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Keywords | ポストCCA / キトサン金属塩 / 浸潤度 / 簡易画像計測システム / 標準施工法 / 薬剤安定性 |
Research Abstract |
ポストCCA木材防腐剤として申請者らが開発したキトサン金属塩(銅系と亜鉛系)薬剤はJISやJWPASで規定された性能試験では極めて優れた性能のあることが認められたが、これをさらに実用化するためには更に解決しなければならない幾つかの問題点がある。その一つが薬剤浸潤度の正確で迅速な評価である。とくに実大寸法材中での薬剤の浸潤度の測定は実用化を図るうえでは重要である。本年度はこの点について、まず浸潤度測定専用の簡易画像計測システムを開発した。本システムは、処理現場において計測することを想定したため、小型で安価なシステムの構築を試みた。その概要は、小型のCCDカメラと画像入力装置を用いて画像データをノート型パソコンに取り込み、取り込まれた画像を市販の一般画像計測ソフト(Win Roof)で計測できるようにした。なお、本研究では測定試料数が多いため、画像データ保存用に専用メモリカード(画素数640H*480Vを230フレーム保存)を用いた。このシステム用いることによって、浸潤度の定量化が著しく容易に行えるようになった。次に、実大材による最適処理方法(標準施工法)を確立するための幾つかの予備実験を行った。浸潤度ならびに薬剤吸収量、処理薬剤の安定性と処理条件の関係について、スギ、ベイマツ、ベイツガの正角材を用いて調べた。減圧・加圧注入処理した場合、ベイマツで約25%、スギやベイツガでは80〜90%と、CCA3号と同程度の浸潤度を示した。薬剤の浸透していた部分では、スギとベイツガでは銅元素は1kg/m^3以上、亜鉛元素も2kg/m^3以上の薬剤吸収量が確認されたが、ベイマツでは目標値の約70%しか含有していなかった。さらに、薬剤の安定性については5回繰り返し使用後の有効成分残存率はCCA3号と同程度の安定性のあることが分かった。
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