1997 Fiscal Year Annual Research Report
Na^+チャネル阻害物質計測用センサの開発と魚介毒の計測および生理活性物質検索への応用.
Project/Area Number |
09556046
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Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
渡辺 悦生 東京水産大学, 水産学部, 教授 (00017055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 英明 東京水産大学, 水産学部, 助手 (50242326)
林 哲仁 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (00173013)
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Keywords | ナトリウムチャネル / カエル膀胱膜 / ナトリウム電極 / テトロドトキシン / プランクトン / フグ |
Research Abstract |
カエル膀胱膜.Na^+電極,フローセル,ペリスタポンプおよびレコーダを組み合わせることにより連続計測可能なNa^+チャネル阻害物質計測用センサシステムを製作した. 測定条件は送液の温度30℃,pH4.8,移送速度0.8ml/min,試料注入量50μlであった.8%NaCl溶液をフローセルに移送し,センサの出力が定常となったところで,試料(8%NaCl溶液)を注入した.出力電位の減少値からフグ毒TTX量あるいはプランクトンのNa^+チャネル阻害物量を求めた. フグ毒の計測:サベフグ6検体を各部位に分けてそれぞれ2回計測した.結果はあらかじめ作製しておいたTTX検量線からTTXに換算した.試料1gをとり0.1N酢酸で熱水抽出したものを5mlとし,その50μlを注入した.組織1g当り2〜5pgを示した.これらの結果は,もちろん従来法で求めることは不可能である.本センサの有効性が認められた. プランクトン毒の計測:試料プランクトンは東京湾,相模湾に設置した調査定点において1996〜1997にかけて,約1ケ月に1度一定量の海水を採取し,それを船上において濾過することにより濾紙上に集積したものを凍結保存してもちいた. ほとんどの試料より微量ながらセンサの応答が観察された.STX検量線を用いてSTXに換算したところ東京湾で1.79〜0.4×10^<-5>MV/lを示した.また相模湾のそれは0.83〜0.2×10^<-5>MV/lを示した. しかしながら,プランクトンの確認をしていないので,濾紙上に集められたプランクトン以外のものによる応答の可能性もあり,今後この点を明らかにしたい.
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