1998 Fiscal Year Annual Research Report
多能造血幹細胞のT,Bリンパ球およびミエロイド細胞系列への決定と分化-方法の開発と機構解明
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09557029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桂 義元 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (90027095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 政彦 中外製薬(株), 創薬研究所, 主任研究員
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Keywords | 造血幹細胞 / 分化 / コミットメント / T細胞 / 胸腺 / AGM領域 / 系列特異的前駆細胞 |
Research Abstract |
昨年度までに,造血前駆細胞のT,Bおよびミエロイド系列への分化能を解析できるmultilinage progenitorassay system(MLPアッセイ法)を開発し,マウス胎仔肝臓(FL)中で,T,B,ミエロイド系列へのコミットメントが進行していることを明らかにした.本年度は,FLよりも早期に造血が起こるとされているAorta-Gonard-Mesonephros(AGM)領域における造血前駆細胞の系列コミットメントの状態を解析した.この研究によって以下のことが明らかとなった. 1) AGM細胞がT,Bおよびミエロイド系列への分化能を獲得するのは胎齢9.5〜10.0日である. 2) 10.0日AGMの前駆細胞は,FLの前駆細胞と異なりSca-1を発現しておらず,しかもIL-3に対しては反応しない.MLPアッセイ法においてはIL-3のかわりにGM-CSFを用いた. 3) 10.0日目AGM中にはT,B,ミエロイド系列へ分化できる前駆細胞(p-Multi),T,Bあるいはミエロイド系のみに限定された前駆細胞(p-T,p-B,p-M),さらにミエロイドとT(p-MT)またはミエロイドとB(p-MB)系列へ分化しうるbipotent前駆細胞が観察された.このことはFL中の前駆細胞と同じであるが,前駆細胞の数はFL中の1/200〜1/1000であった. 4) AGM前駆細胞とFL前駆細胞では,分化能に明らかなちがいがみられるものがあった.p-Tは明らかに2種類に分けられ,大多数のp-Tは少数のThy-1^+細胞をつくるだけであった.p-Multiにも2種類あることが明らかとなった(p-Multi1,p-Multi2).p-Multi1はFL中のp-Multiの未成熟型と考えられたが、p-Multi2は明らかにT細胞への分化能を特に強く示すものであった. 以上のように,個々のAGM前駆細胞の分化能を解析することによって,胎仔肝臓が形成される前の造血前駆細胞で系列決定が始まっていること、さらにその分化能が多様であることが明らかとなってきた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Nishikawa,S-I.et al.: "In vitro generation of lymphohematopoietic cells from endothelial cells purified from murine embryos." Immunity. 8. 761-769 (1998)
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[Publications] Kawamoto,H.et al.: "Presence of progenitors restricted to T,B or myeloid lineage but absence of multipotent stem cells in the murine fetal thymus." Journal of Immunology. 161・8. 3799-3802 (1998)
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[Publications] Takayama,E.et al.: "Enhancement of activation-induced cell death by fibronectin in murine CD4^+CD8^+ thymocytes." Immunology. 95. 553-558 (1998)
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[Publications] Kawamoto,H.,et al.: "Emergence of T cell lineage restricted progenitors at the earliest stage of hematopoiesis in the murine fetal liver." Journal of Immunology. 162・5. 2725-2731 (1999)
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[Publications] van Ewijk,W.,et al.: "Thymic miroenvironments,3-D versus 2-D?" Seminars in Immunology. 11. 57-64 (1999)
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[Publications] 桂 義元: "胸腺とT細胞" 医学書院, 197 (1998)