1999 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍の診断治療を目的として抗血管新生因子抗体の開発
Project/Area Number |
09557129
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
加藤 哲郎 秋田大学, 医学部, 教授 (40004642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 幸久 秋田大学, 医学部, 助教授 (50157327)
鈴木 敏夫 秋田大学, 医学部, 教授 (20108559)
増田 弘毅 秋田大学, 医学部, 教授 (60103462)
三浦 直行 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40165965)
佐々木 隆聖 秋田大学, 医学部, 助手 (90292375)
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Keywords | 血管増生因子 / 泌尿器癌 / VEGF / bFGF / ELISA / 血管新生 |
Research Abstract |
1) 腎細胞癌におけるVEGF関連遺伝子(VEGF-A,B,C,D)ならびにそれらの受容体遺伝子の発現を検索した。VEGF-A、受容体VEGFR-1とVEGFR-2は正常腎組織に対して癌組織で有意に高発現していた。これに対してVEGF-BとVEGF-Cの発現は正常腎組織と癌組織で有意な差がなかった。これらのことから、腎細胞癌ではVEGF-Aと受容体(VEGFR-1とVEGFR-2)が血管新生に重要な役割を果たすとみなされた。 2) 血清VEGF濃度を腎細胞癌患者と非坦癌健常コントロールで比較した。その結果、血清VEGF濃度は腎細胞癌患者で有意に高値を示すことが明らかになった。また、坦癌腎静脈血のVEGF濃度は健常側のそれに対して有意に高値であった。さらに、術後は術前に比較して有意に血清VEGF濃度の低下が認められた。血清VEGFは有意に腫瘍容積、転移、ならびに腫瘍進展にも相関がみられた。ROC解析の結果から血清VEGFのカットオフ値を100Pg/mlに設定すると感度と特異度はそれぞれ80.0%と72.5%となった。これらの結果から腎細胞癌はVEGFを血中に遊離し、血清VEGFは腎細胞の悪性度の指標になると考えられた。 以上の成績は腎細胞癌の診断と治療を目的とした抗血管新生因子抗体の開発のための基礎的資料となるものと考えられる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazunari Sato, et al.: "Increased serum levels of vascular endothelial growth factor in patients with renal cell carcinoma"Jpn J Cancer Res. 90. 874-879 (1999)
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[Publications] Norihiko Tsuchiya, et al.: "Quantitative analysis of VEGF,VEGF-C and VEGFR-2 gene expression in renal cell carcinoma"J Urol. 161. 143A (1999)