1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09557172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
高橋 浩二 昭和大学, 歯学部, 講師 (40197140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和子 関東逓信病院, リハビリテーションセンタ, 言語療法士
新井 雅信 関東逓信病院, リハビリテーションセンタ, 部長
山鹿 高義 昭和大学, 歯学部, 助手
根本 敏行 昭和大学, 歯学部, 助手 (70255884)
山下 夕香里 昭和大学, 歯学部, 講師 (50260906)
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Keywords | X線透視ビデオ法 / 嚥下障害 / Wallenberg症候群 / 舌癌 / 前腕皮弁 / 腹直筋皮弁 |
Research Abstract |
1.Wallenberg症候群患者の嚥下動態 69歳男性、Wallenberg症候群患者の嚥下障害についてVideofluorography(以下VF)検査によって定量的な観察を行ったところ以下の所見が得られた。治療開始前と治療終了後のVFの結果を健常人と比較すると喉頭挙上開始時間、輪状咽頭筋領域到達時間、輪状咽頭筋反応時間のすべてにおいて健常人の2SDを越え、特に喉頭挙上開始時間と輪状咽頭筋領域到達時間が顕著に延長していた。治療前後の比較では、喉頭挙上開始時間、輪状咽頭筋到達時間が顕著に改善していた。従来Wallenberg症候群患者では、輪状咽頭筋弛緩不全を示すことが多いとされていたが、喉頭挙上開始時間や、輪状咽頭筋領域到達時間の延長もみられ、嚥下の咽頭期の全般にわたって障害がみられることが示された。 2.X線透視ビデオ法による舌半側切除後即時再建症例の嚥下動態の解析 舌半側切除後に即時再建術を施行した症例の術後の嚥下機能を定量的、定性的に検討したところ以下の結果が得られた。1)前腕皮弁再建症例、腹直筋再建症例とも術後早期では誤嚥の危険性が高かった。その原因は主として喉頭挙上開始の遅れと舌による食塊の送り込み能力の低下と考えられた。2)再建法別の比較では前腕皮弁移植症例の方が気管内侵入の危険性が低かったが、これは切除範囲とも関連しているものと思われた。したがって今後は誤嚥防止法や術後の誤嚥症状の早期発見と治療に関する検討が必要と考えられた。
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