1999 Fiscal Year Annual Research Report
学生時と妊娠時および授乳時における女性の骨密度と食生活
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09558001
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
三好 正満 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (30046479)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 雅史 奈良県立三室病院, 産婦人科, 部長
坂本 裕子 龍谷大学, 短期大学部, 助教授 (20269765)
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Keywords | 骨密度 / 女子大生 / 食生活 / 因子分析 / 判別分析 / 料理選択能力 / 栄養 / 運動 |
Research Abstract |
骨粗鬆症の予防は、若年期から骨のピークマスを高めておくことが重要であると言われている。本研究の最終年度である本年度は、1997年から1999年にかけて骨強度を測定した女子大生を対象に1年間の骨強度の変化とそれに関わると思われる生活要因を調べ、関連する国内外の学会で口頭発表した。また、これまでの成果を順に学術論文として発表する予定である(一部掲載決定済)。 本年度は、奈良女子大生250名について、超音波骨密度測定装置による踵骨の骨強度と体脂肪率の測定を行い、3日間の食事調査、運動を含む過去及び現在の生活状況調査、カラー写真を用いた料理選択能力(イメージ能力)、3日間の歩行数測定を行った。これらの結果を含めて過去3年間の調査より骨強度が年間で4以上上・下した者を上昇群・下降群として、得られた他のデータについて、相関分析、分散分析、t検定、χ^2検定、因子分析、判別分析等を用いて両群の差や特徴を調ぺた。 骨強度の年間平均変化は、0.57+5.51で、上昇群・下降群でほそれぞれ6.51+2.62、-8.67+5.25であった。調査した各項目の得点化と得点の規準化を図り、類似した項目を集約して、両群間の平均値の差を検定したところ、栄養摂取頻度と栄養摂取量、現在の運動量、イメージ能力としての料理選択能力などでいずれも上昇群が高いというよい結果を得ることが出来た。また、因子分析により体格、栄養(栄養摂取)、運動時間(大学)、イメージ能力、歩行数の5因子が抽出され、主な2因子の組み合わせによる個人の分散図より上昇群・下降群の特徴を把握した。判別分析では、栄養、歩行数が判別式上での強い決定因子となった。 以上、本年度は、ピークボーンマスを達成したか達成する時期に近い女子大生においてもなお、骨密度が変化する者がいること、その変化には当然のことながら生活習慣が明確に影響することを多数の対象者についての調査研究から統計的にかつシンプルに明らかにするこが出来、女子学生の生活を見直すための実証的な成果を挙げることができた。 また、女子大生と妊産婦等に関する過去3年間の成果は別に報告書としてまとめた。
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Research Products
(1 results)