1998 Fiscal Year Annual Research Report
数学教育におけるジェンダーの視座に基づいたカリキュラムの開発
Project/Area Number |
09558010
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Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
瀬沼 花子 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (30165732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 真由美 教科教育研究部, 主任研究官 (40218178)
一見 真理子 国際研究, 協力部, 主任研究官 (20249907)
長崎 栄三 国立教育研究所, 科学教育研究センター, 室長 (50141982)
中原 忠男 広島大学, 教育学部, 教授 (90034818)
狭間 節子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (40030382)
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Keywords | 数学教育 / ジェンダー / カリキュラム開発 / 戦前の女子教育 / 教科書 |
Research Abstract |
1. ジェンダーの視座に基づいたカリキュラム開発の基礎として、まず、戦前の女子の数学教育の様子を明らかにするため、昭和17年から22年まで東京女子高等師範学校助教授であった小林和子先生にインタビューを行い、この時代に女性が大学等で数学を専攻する意味と実態を明らかにした。 2. 大正時代〜昭和初期に女子の数学教育がどのように扱われ、また日本数学教育学会ではどのような議論がなされたか、会員数における女性の割合はどうであったかなどをまとめた。 3. 昭和5〜7年度の女子高等師範・専門学校の数学入試問題を収集・分析した。 4. 昭和18年の高等女学校1年生用数学教科書の現代語版(現在の生徒が理解しやすいように書き直したもの)を作成した。また、2年生用〜5年生用については、途中まで現代語版を作成した。 5. 科学とジェンダーの関連で、数学とジェンダーの問題をとらえるために、第11回国際女性技術者・科学者会議の事務局長である都河明子先生の講演会を開催した。国際的な視野からの日本の女性科学者の歴史・現状・展望を知り、数学教育の在り方について考える機会を得た。 6. ジェンダーと数学に関し、最先端の活動や研究の行われている国であるカナダの“Gender -Sensitive"Curriculum、及び、オーストラリアの研究動向を調べた。 7. 以上の成果を、報告書『「数学とジェンダー」講演集II及び問題への視点』(1999年、140ページ)、『昭和18年高等女学校1年生用数学教科書』(1999年、44ページ)としてまとめた。
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[Publications] 瀬沼花子: "数学に対するイメージの変容の男女差" 日本科学教育学会 年会論文集. 22. 335-336 (1998)
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[Publications] 桜井恵子: "明治前期の女子数学教育-東京府の女学校をみる-" 日本数学教育学会 論文発表会論文集. 31. 217-222 (1998)
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[Publications] 瀬沼花子: "数学とジェンダー" 日本女子社会教育会「女性教養」. 547. 3-6 (1998)
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[Publications] 瀬沼花子: "数学とジェンダー" 日本評論社「数学のたのしみ」. 11. 2-3 (1999)
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[Publications] 瀬沼花子(代表): "「数学とジェンダー」講演集II及び問題への視点" 国立教育研究所, 1-140 (1999)
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[Publications] 瀬沼花子(代表): "昭和18年高等女学校1年生用数学教科書" 国立教育研究所, 1-44 (1999)