1997 Fiscal Year Annual Research Report
情報教育担当者養成のための教師教育カリキュラムと能力評価試験の開発
Project/Area Number |
09558012
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松田 稔樹 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (60173845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
波多野 和彦 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (50198751)
楠見 孝 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 助教授 (70195444)
中川 正宣 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (40155685)
赤堀 侃司 東京工業大学, 教育工学開発センター, 教授 (80143626)
坂元 昴 メディア教育開発センター, 所長 (00016338)
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Keywords | 情報教育 / 教育養成 / 現教員研修 / カリキュラム開発 / 認定制度 / 授業設計力 / 訓練システム / 遠隔教育 |
Research Abstract |
本研究は、次期学習指導要領において、独立教科としての「情報」を担当できる教員の育成と、各既存教科や「総合的な学習の時間」で情報教育の指導をできる教員の育成との両面について、その具体的な教師教育の内容と方法とを開発することを目的としている。これ等を達成するために、(1):当面する20年程度の範囲に限定して、情報教育実施のために、教師が身につけて置くべき資質(学習目標)のリストを、小・中・高校などの学校段階別や、一般教師と「情報」科担当者別にモジュール構造で作成すること、(2):上記各学習目標を達成するための教師教育カリキュラムの具体例と、教師教育テキストを試作すること、(3):(1)で検討した教師の資質の目標達成度を評価するために、評価方法や課題、さらには、その資格等を社会的に制度化することについて検討すること、(4):教員養成・研修を充実させるために、いくつかの大学の教師課程や研修会で、具体的カリキュラムの評価や、遠隔教育手段を利用した指導方法等の実践評価を行う、などを計画した。 このうち、平成9年度は、(1)〜(4)全てにわたる基礎として、まず、高等学校「情報」科のカリキュラム内容や指導方法の検討を行い、それに基づいて教師に求められる資質の検討や、授業設計・実施能力育成のための研修方法の検討と実践を行った。特に、研修方法においては、コンピュータや将来的にはネットワークを用いた訓練方法へと発展させることを念頭に、研修ゲームの開発と評価を行った。また、既存教科については、研修カリキュラムの大枠を検討し、「情報教育の基本的考え方」「遠隔手段を活用したディベート」「情報教育の授業設計方法」「模擬授業」「情報の科学的理解の内容」「情報教育における学習評価」を柱としたカリキュラムを構成し、具体的に遠隔教育手段の活用を含めた実践を行った。また、より具体的な授業設計方法の指導を検討し、将来的にコンピュータやネットワークを活用した訓練方法へと発展させることを念頭に、特に、数学と理科を題材に、既存教科における情報教育の授業設計法を開発し、それを教職課程の授業で実践評価して、授業設計訓練システムの設計指針を得た。
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[Publications] 中村 直人: "情報教育担当教員の養成" 情報処理. 38. 923-928 (1997)
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[Publications] 石井奈津子: "情報通信ネットワークを利用した学習活動の設計支援について" 教育工学関連学協会連合第5回全国大会講演論文集(第二分冊). 333-334 (1997)
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[Publications] 波多野 和彦: "情報教育実施のための教授スキル研修ゲームの開発(3)" 教育工学関連学協会連合第5回全国大会講演論文集(第二分冊). 401-402 (1997)
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[Publications] 松田 稔樹: "情報教育担当教員育成のためのカリキュラム開発" 教育工学関連学協会連合第5回全国大会講演論文集(第二分冊). 729-730 (1997)
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[Publications] 石井 奈津子: "既存教科における情報教育実施のための教員養成・研修方法の開発" 日本教育工学会研究会報告集. JET98(印刷中). (1997)