1997 Fiscal Year Annual Research Report
粒子線高度利用分野における中高エネルギー陽子核データに関する研究
Project/Area Number |
09558059
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡辺 幸信 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (30210959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
明午 伸一郎 日本原子力研究所, 中性子科学研究センター, 研究員
岩本 修 日本原子力研究所, 原子炉工学部, 研究員
井尻 秀信 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (90136549)
河合 光路 九州大学, 名誉教授
河野 俊彦 九州大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (30234090)
|
Keywords | 粒子線高度利用 / 陽子 / 核データ / 中高エネルギー / 2重微分断面積 / 炭素 / ブレークアップ反応 / 前平衡原子核反応 |
Research Abstract |
本研究は、陽子線の高度利用分野(放射性廃棄物の加速器駆動消滅処理や癌の陽子線治療など)で必要とされる中高エネルギー領域における陽子核データの試験的ライブラリの作成および新しい検索・利用システムの開発を行うことを目的としている。4つの作業項目-(1)核データ測定、(2)理論解析、(3)核データ評価・ファイル化、(4)検索・利用システム開発-を設定し、ライブラリの作成とシステム完成に向けた研究を今年度から開始した。 (1)核データ測定:標的核として炭素を選定し、30〜90MeV領域の陽子入射反応から放出される軽イオン(陽子、重陽子、トリトン、^3He、α)の2重微分断面積測定を日本原子力研究所TIARA施設で行うために、実験装置やデータ収集系の開発ならびに検出器の性能試験を行った。主要な検出器であるCsI(Tl)シンチレータの軽イオンに対する応答関数を精度良く決定することができた。 (2)理論解析:入射エネルギー30MeVまでのp+^<12>C反応データはすでに当グループにより測定されている。放出陽子及びα粒子の連続スペクトル領域に着目し、3αブレークアップ反応機構を仮定した解析を行い、ブレークアップ成分の入射エネルギー依存性を調査した。本解析結果は、日本原子力学会ならびに核データ研究会で発表された。さらに、中高エネルギー核反応で重要となる前平衡核反応過程を記述するFKKモデルに改良を加えた新計算手法を提案し、計算コード開発を行った。 (3)核データ評価・ファイル化:文献およびデータベースに基づいて過去の実験データの現状調査を行い、炭素に関する評価において必要となる数値データの収集を開始した。 (4)検索・利用システム開発:高速のPCを導入した小規模LANシステムを組み、ネットワークを介した核データ利用の新形態を模索する実験を開始した。データ転送時のプロトコルの定義やサーバプログラムの開発を進めた。
|
Research Products
(1 results)