1999 Fiscal Year Annual Research Report
中性子の生物影響研究用低エネルギー陽子線照射装置の開発
Project/Area Number |
09558071
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
星 正治 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 教授 (50099090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 由美子 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助手 (60171964)
高田 純 広島大学, 原爆放射能医学研究所, 助教授 (00274134)
遠藤 暁 広島大学, 工学部, 助教授 (90243609)
木村 寿男 日新ハイボルテージ社, 研究課長
岩本 英司 日新ハイボルテージ社, 研究部長
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Keywords | 中性子生物効果 / 生物影響 / 中性子 / 加速器 / 陽子 / トラックエンド |
Research Abstract |
中性子の生物影響は、ガンマ線やX線と比べて影響が大きい。その特徴は、中性子自身ではなく、2次的に発生する荷電粒子によってのみ生物に影響を与えることである。その影響の大きさはRBEで表されるが、それが7-10倍、ときには20倍になることもある。その原因は、2次粒子の主なものが水素の原子核すなわち陽子であり、その影響が大きいと考えられる。その線量に寄与する割合は70-80%である。ところが陽子のRBEの実験結果は1から1.2程度ぐらいしかならない。この原因はいったいどこにあるのか、高いRBEの原因はどこにあるのか調べることが本研究の目的である。仮説として陽子線のエネルギーの、より高い側のRBEは1程度であるが、その陽子線が止まる瞬間にRBEが大きくなるのではないかと考えた。これは電子線でも同様なことが指摘されているので原因は同じではないかと思う。そのことを証明することを最終的な目標としている。そこで広島大学原爆放射能医学研究所に平成7年に導入されたシェンケル型加速器(HlRRAC)で陽子を加速し、それを真空中から空気中に取り出し細胞に照射する装置の制作を行うことが本研究の目的である。昨年度は空気中への取り出しのためにマイラー5ミクロンとチタン合金の2.2ミクロンハーバーフォイルを試した。どちらも取り出しはうまくいくことを確かめた。ただハーバーフォイルの方が丈夫なので、それを使って実験を行うこととした。本年度はプラスチックシンチレータを使って空気中に取り出した陽子線を測定した。これにより陽子線のエネルギーとフルエンス(粒子数)を測定した。これにより線量の評価が可能になった。ただ生物照射に関しては陽子線の一様性などに十分な条件の達成ができず実行できなかった。今後の実現を目指し引き続き実験を進め検討を続ける。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 星正治: "軟X線の線量測定"医療標準線量. 4(1). 17-22 (1999)
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[Publications] 遠藤暁: "C-C_<O2>電離箱(IC17G)の中性子感度の測定"医療標準線量. 4(1). 29-33 (1999)
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[Publications] S.Endo: "DS86 Neutron Dose:Monte Carlo Analysis for Depth Profile of ^<152>Eu Activity in a Large Stone Sample"J.Radiat.Res.. 40. 169-181 (1999)
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[Publications] S.Endo: "Reduction of the gamma-ray component from ^<252>Cf fission neutron source-optimization for biological irradiations and comparison with MCNP code"Phys.Med.Biol.. 44. 1207-1218 (1999)
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[Publications] I.Yoshikawa: "The Induction of Somatic Mutation by High-LET Radiation Observed Using the Drosophila Assay System"Risk Evaluation of Cosmic-Ray Exposure in Long-Term Manned Space Mission(Ed.by K Fujitaka et al.). 89-99 (1999)