1999 Fiscal Year Annual Research Report
都市水循環システム構築のための総合的評価手法の開発
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09558074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 和夫 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (60143393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 裕 武蔵工業大学, 工学部, 助教授 (90207986)
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Keywords | 都市水循環システム / 総合的評価手法 / 遺伝子損傷性 / コメットアッセイ / 抗生物質耐性菌 / ライフサイクルCO_2 / 親水空間の計画 / 下水処理水再利用 |
Research Abstract |
下水処理水の再利用の様々なオプションを中心に、それが及ぼす様々な影響を定量的に評価する手法を確立し、それを基に、具体的流域のケーススタデイーを通して、都市の種々の水循環システムのLCAを行い、実際に流域で現在及び将来実現可能性を持つ様々な水循環システムの形態へ適用することにより、都市水循環システムの総合的評価手法を開発することを目的として、研究を行った。本年度は、前年度までに確立した評価手法を用い、多摩川流域をケーススタデイーとして、遺伝子損傷性及び抗生物質耐性菌に関する水質調査を行い、その観点からの水環境質評価を行った。多摩川河川水中の抗生物質耐性菌の存在率は、都市排水或いは下水処理水が流入することにより増加し、潜在的リスクとして十分注意すべきであること、また一方親水空間創造の有効な方法として下水処理水の活用は魅力的であることから、高度処理のレベルはますます高くならざるをえないことなどが示された。遺伝子損傷性についても、河川水から検出され、今後の河川水質を議論する上で、本研究で提示した新たな指標により評価手法を導入する必要が示唆された。下水処理水を再利用する場合、未認知リスクとして何を評価するべきかが最大の問題であるが、本研究で取り上げた遺伝子損傷性及び抗生物質耐性はその代表指標になると考えられる。実際の遺伝子損傷性や抗生物質耐性或いは内分泌撹乱物質を含めても、それを処理する技術として、将来有望であるのが低圧ナノ濾過法である。従って、高度処理として、ナノ濾過技術を導入した場合のLCA(ここではLCCOST,LCE,LCCO_2に焦点をあてた)を、多摩川流域を対象に、様々な水循環システムオプション(シナリオ)について検討した結果、河川水の循環利用をはかり流域での水道供給の自給率を上げつつ、また高度処理を導入して人への健康リスクを削減する方策は十分に検討に値することが示された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 榎本博文 長岡裕 田中厚至: "都市水循環システム構築のための親水空間評価手法の開発"土木学会第26回関東支部技術研究発表会講演概要集. 1052-1053 (1999)
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[Publications] 西川真彦 長岡裕: "都市河川における下水処理水放流の評価に関する検討"土木学会第27回関東支部技術研究発表会講演概要集. VII-41 (1999)
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[Publications] 島崎大 浦瀬太郎 山本和夫: "コメットアッセイを用いた廃棄物埋立処分場浸出水に含まれるDNA損傷性の検出"水環境学会誌. 22(9). 783-789 (1999)
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[Publications] 島崎大 浦瀬太郎 山本和夫: "河川水に含まれるDNA損傷性のコメットアッセイによる検出"第34回日本水環境学会年会講演集. (2000)
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[Publications] 浦瀬太郎 山本和夫 岩根泰蔵: "多摩川を例とした抗生物質耐性と河川の人為汚染指標の比較"土木学会第54回年次学術講演会講演概要集第7部. 102-103 (1999)
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[Publications] T.Iwane,T.Urase,K.Yamamoto: "Possible impact of treated wastewater discharge on incidence of resistant bacteria in river water"The 1st World Congress of the International Water Association. (2000)