1998 Fiscal Year Annual Research Report
自殺死亡率の地域分布と心理・社会的要因に関する研究
Project/Area Number |
09610202
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Research Institution | Otsuma Women's University |
Principal Investigator |
松本 壽昭 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (00095481)
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Keywords | 自殺 / 自殺率 / 自殺防止 / 地域社会 / 心理・社会的要因 |
Research Abstract |
本研究が意図している問題意識(研究内容)については、平成9年度の研究実績の概要で示した通りである。それに基づき、平成9年度は主として関東以北の各都県を対象に、そこでの主要社会指標の収集を行い、一部の県について自殺率との関係について検討した。本研究の2年目にあたる平成10年度は近畿(大阪府、奈良県、和歌山県、兵庫県)、中国・山陰(岡山県、島根県、鳥取県)、四国(愛媛県、高知県、徳島県、香川県)、中部(山梨県、長野県、静岡県)の各府県における主要社会指標の収集と整理を行った。また、自殺率との関連についての検討は、現在進めているところである。 なお、最終的な対象地域の選定については予算上の理由から35都道府県程度(自殺率を基礎や選定する)になる予定である。また、主要社会指標についても、平成9年度の報告では35個を抽出したと述べたが、その後分析・検討を進める過程で、都道府県により指標作成にあたっての基準に一部不統一がみられるため、最終的に30個の指標で分析することにした。なお、検討する対象年度は、昭和60年、平成2年、平成7年の3カ年で変更はない。 さて、自殺の要因(原因)を析出するための主要社会指標と自殺率との関連について、これまでに収集した資料で検討した結果、この両者間で「相関の有無」と「その程度」が地域によりかなり異なることが明らかになった。なかでも、高自殺率地域(例えば、秋田県など)で、その傾向が顕著であった。一方、低自殺率地域(例えば、奈良県など)では特徴的な傾向を捉えることができなかった。なお、各地域毎および年度毎の詳細な分析は、平成11年度に予定している残りの地域(九州・沖縄と中部の一部)のデータと合わせ行う予定である。
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Research Products
(1 results)