1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
小笠原 好彦 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00000480)
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Keywords | 居宅 / 有力氏族 / 主殿 / 後殿 / 脇殿 / 類型化 / 方位 / 建物配置 |
Research Abstract |
7世紀の有力氏族の居宅資料としては、大阪府池田寺跡、瓜破東遺跡、奈良県橿原市五条野向イ遺跡、藤原京内の宅地資料を中心に検討した。とくに五条野向イ遺跡では南門の北側に主殿、後殿を配し、主殿の東側で南北棟の脇殿も検出されており、この時期の居宅を考えるうえで注目される新資料である。8〜9世紀では、平城京、長岡京、平安京の資料を収集したほか、関東地方の主として千葉県、埼玉県、群馬県で検出されている居宅資料の収集につとめた。また、これまで収集できた資料をもとに、居宅に建てられた建物群の類型化を試みた。この類型化にあたっては、居宅を区画する形態、建物群を構成する主殿(主屋)、後殿(後屋)、脇殿(脇屋)、さらに付属する建物の組みあわせ、方位などを留意して、有力氏族の居宅規模とそれに構築された建物構成、建物配置との関係を重視した。一方、中国の長安城、洛陽城に建てられた居宅に関しても、『唐両京条坊故』の文献をもとに、長安城の現地踏査を行った。
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