1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09610404
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
小笠原 好彦 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00000480)
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Keywords | 掘立柱建物 / 居宅 / 左右対称配置 / 都城 / 内郭 / 外郭 / 藤原京 / 平城京 |
Research Abstract |
7世紀の有力氏族の居宅には、溝や塀によって区画されたものと、区画する施設のないものとがある。建物構成は大型掘立柱建物の主屋といくつかの付属建物からなるものが、大阪府瓜破遺跡、愛媛県来住遺跡などが検出されている。左右対称のものも飛鳥の五条野向イ遺跡から見つかっている。最初の都城の藤原京からは、左右対称の建物配置、東西棟を中心としたもの、南北棟を中心としたものが見つかっているが、敷地の規模と建物構成の関係は、まだ十分に明らかでない。8世紀の平城京では、居宅の外郭を区画するだけのもの、外郭と内郭からなるもの、内郭部を複数もつものがある。これらのうち内郭が複数のものは、左京3条2坊に構築された長屋王の邸宅のみである。平城京での居宅の建物構成には、左右対称配置、中軸線を合わせて大型建物を配置するもの、東西棟を中心に東西棟、南北棟からなるもの、複数の東西棟からなるもの、南北棟のみで構成するものがある。このような建物構成は敷地の広さと深く関係している。内郭をもつ居宅のうち、左右対称の建物配置を示すものは、有力氏族の居宅とみなすほかに、官衙の性格をもつものとする見解が出されており、その性格の検討を試みた。居宅の敷地が狭いものには、南北棟を主体とする建物構成が顕著にみられ、敷地には8分の1町、16分の1町のものが知られる。しかし32分の1町のものは確実とはいいにくい。以上のような、居宅の敷地の規模と内部に立てられた建物配置との関係をもとに、畿内や各地の集落で検出されている有力氏族の居宅の類型化を進めて成果を得た。
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