1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09620009
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
富井 利安 広島大学, 総合科学部, 教授 (40006466)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 護也 広島大学, 総合科学部, 教授 (80034594)
|
Keywords | 環境影響評価 / 環境影響評価法 / 環境影響評価条例 / スクリーニング / スゴーピング / 情報公開 / 住民参加 / 計画アセスメント |
Research Abstract |
本研究の柱は、(1)法社会学の方法に基づく実証的研究、(2)立法政策分析を踏まえた法理論的研究の二つである。平成10年度の研究計画のうち、(1)に関しては、とくに、港湾計画及び海面埋立、干拓のアセスメントの実証的研究を意欲的に進めた。この研究成果として、研究代表者富井は、平成10年9月に海上保安大学校で開かれた第39回中四国法政学会でのシンポジウムの一環として、「環境基本法と海洋環境の保護-『港湾環境アセスメント』を中心として」と題して口頭発表を行った。さらに、富井は平成11年6月に開かれる第3回環境法政策学会で「海浜環境の保全と埋立アセスメント」と題して口頭発表する予定である。 以上のほかに、地方公共団体の条例化の動向の調査研究などを計画していたが、これは未だ機が熟していないと判断して、断念した。 (2)の柱に関しては、当初の計画通り、「環境影響評価法」の制定過程を綿密に追及した上で、その法の複雑なしくみ及び内容について詳細に検討した。そして、「閣議アセス」と比較して一歩前進と評価できる点、法律実施に当って予想される問題点、今後の課題などに整理して法理論的な考察を行った。さらに、本年6月に全面施行される本法の実施準備状況について、政省令、施行令、告示などの公文書をもれなく収集し検討を加え、これについても不明な点をほぼ明らかにし得たと考えている。 以上の研究成果は、富井利安著「環境影響評価法の制定とその検討」(広島大学総合科学部紀要II・社会文化研究第24巻・1998年)と題する学術論文にまとめられた。
|
-
[Publications] 富井,利安: "環境影響評価法の判定とその検討" 広島大学総合科学部紀要II・社会文化研究. 第24巻. 23-62 (1998)
-
[Publications] 富井,利安: "「環境アセスメント法」の意義と課題" 日本環境学会第24回研究発表会プロシーデング21世紀の人間と環境を考える. 56-59 (1998)
-
[Publications] 富井,利安: "日本の環境アセスメント法" 市川 浩ほか編21世紀の教養1-科学技術と環境 (培風館). 183-192 (1999)
-
[Publications] 富井利安・伊藤護也・片岡直樹 共著: "新版環境法の新たな展開" 法律文化社, 1-260 (1997)