1997 Fiscal Year Annual Research Report
超離散化法による可積分セル・オートマトンとその解空間の代数構造の研究
Project/Area Number |
09640273
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 泰広 広島大学, 工学部, 助手 (10213745)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 比呂子 広島大学, 工学部, 助手 (60284171)
伊藤 雅明 広島大学, 工学部, 助教授 (10116535)
柴 雅和 広島大学, 工学部, 教授 (70025469)
|
Keywords | 可積分系 / セル・オートマトン / 超離散化 / Painleve方程式 |
Research Abstract |
1.可積分セル・オートマトンを出発点として、超離散化の手法を用いて新しい型のPainleve方程式を提出した。これらの方程式は独立変数、従属変数の両方が離散的であり、coalescence cascadeや特解の存在などのPainleve方程式の本質的な性質を捉えている。このようなセル・オートマトン系が可積分になるための必要条件を提唱し、セル・オートマトン系における可積分性の概念について議論した。 2.2次元Lotka-Volterra系に対するセル・オートマトン極限を提出した。方程式中のパラメタが整数値と有理数値をとる場合について、このセル・オートマトン系のダイナミックスを研究した。パラメタ値が整数の場合には、運動は完全に規則的で厳密な周期運動を示す。パラメタが有理数の場合も原理的には同じ状況ではあるが、初期値の既約有理数表示の分母が増加するに従って、運動周期が増大していき、徐々に運動の規則性を失っていく。最終的にパラメタが無理数になる極限ではカオス的振る舞いを示すようになる。このように可積分系の運動方程式を超離散化することによって、可積分からカオスへの連続的な変化を、初めて厳密に追跡できるようになることを示した。 3.連続及び幾つかの離散Painleve方程式に対して、Miura変換を導出した。連続の場合はHamiltonian形式を介して、PainleveI方程式とCosgroveのSDV方程式の間でMiura変換が存在し、離散の場合は、異なるdPI同士の間、及びdPIと微分型Cosgrove方程式の離散アナログとを結ぶMiura変換が存在する。
|
-
[Publications] B.Grammaticos: "Cellular automato and ultra-discrete Painlerie eequations" Phys,Lett,A. 226. 53-58 (1997)
-
[Publications] R.Hirota: "From mtegrability to chaos in a Lotka-Volterva cellular automaton" Phys,Lett,A. 236. 39-44 (1997)
-
[Publications] B.Grammaticos: "A Miura of the Painleve I Equation and Its Dissrete Analogs" Lett.Math,Phys,. 39. 179-186 (1997)
-
[Publications] D.Schmieder: "Realisierungen des Idealen Randes einer Riemannschen Flache unter konformen Arschlie Bungen" Archiv der Mathematik. 68. 36-44 (1997)
-
[Publications] G.Schmieder: "One-parameter variations of the ideal boundarg and compact continuations of a Ricmarn snrface" Aralysio. (to appear).
-
[Publications] 加藤 比呂子: "多変量時系列モデルによる経済システムの動的解析" 統計数理. 45. 303-321 (1998)