1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09640310
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
杉本 大一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (10022592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲垣 省五 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80115790)
観山 正見 国立天文台, 理論天文学研究系, 教授 (00166191)
野本 憲一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (90110676)
牧野 淳一郎 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50229340)
蜂巣 泉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (90135533)
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Keywords | 恒星系力学 / 恒星進化論 / 球状星団 / N体問題 / フォッカー・プランク近似 / 連星系 |
Research Abstract |
今年度は、衛星、惑星の形成、球状星団の進化、銀河中心の進化について広範にわたる研究を行なった。ここでそのすべてに触れることは出来ないので、球状星団の進化に対する新銀河の潮汐力、恒星の質量分布、および恒星進化の影響の研究を中心にまとめる。 潮汐力の効果については、N体シミュレーションと、従来使われていたフォッカー・プランク(FP)近似による計算との詳細な比較を行なった。その結果、恒星進化の効果を無視した場合、N体計算で得られる恒星蒸発の割合がFP近似に比べて有意に高いだけでなく、粒子数Nが大きいほど高くなることが分かった。FP近似は粒子数無限大に対応するものなので、それは従来予想されていなかった結果である。その原因はまだ検討中である。 恒星の質量分布と進化の影響についても、予備的なN体計算を行なった。ここでもFP近似による計算とは大きなずれのあることが分かった。粒子数Nを大きくすると、ずれは小さくなるが、100万体程度の現実的な球状星団でも問題になる程度のずれである。 電波やX線での観測対象になる点でも、また力学進化自体への影響という点でも、球状星団の中での連星系の進化は重要であり、これは実際上N体計算によってのみ調べることができる。そこで精密な連星進化モデルとN体計算プログラムとの統合作業を進めた。 従来までにFP計算によって得られていた結果は、現実的な効果を取り入れた場合には、ほとんど意味のないものであることが判明した。これに対し、N体計算を行なう場合には、まだ粒子数が十分ではないものの、系統的に粒子数を変えた計算を行なうことによって、ある程度定量的な理解が得られることを示すことができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] D.Sugimoto: "Stellar Euolution Stellar Dynamics and Tera-Flops computation" Proc.Intil Symp.on Supercomputing-New Horizan of computational Sci.,Kluwer Acad.Press. (in press). (1998)
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[Publications] T.Fukushige & J.Makino: "On the Origin of Cusps in Dark Matter Halos" Astrophys.J.Letters. 477. L9-12 (1997)
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[Publications] K.Takahashi, H.M.Lse,& S.Inagaki: "Evolution of tidally fruncated globular clusters with anisotropy" Month.Notices Roy.Astron.Soc.292. 331-337 (1998)
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[Publications] K.Takahashi: "Fokker-Planck Mookls of Star Clusters with Anisofrpir Vels city Distributions III" Publ.Astron.Soc.Japan. 49. 547-560 (1997)
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[Publications] J.Makino & P.Hut: "Merger Rate of Equal-Mass Spherical Galayies" Astrophys.J.481. 83-90 (1997)
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[Publications] J.Makino, M.Taiji, T.Ebisuzaki & D.Sugimoto: "GRAPE-4 ; A Massively Parallel Special-Purpose Computer for Collisional N-Body Simulations" Astrophys.J.480. 432-446 (1997)