1997 Fiscal Year Annual Research Report
CCDを用いた素粒子実験用3次元粒子飛跡検出器の開発研究
Project/Area Number |
09640366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
村上 明 佐賀大学, 理工学部, 教授 (60039253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 俊夫 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40217287)
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Keywords | 半導体飛跡検出器 / 3次元飛跡検出 / CCD素子 / 常温運転 / 素粒子物理実験 / 崩壊点検出器 |
Research Abstract |
21世紀に実現を目指すTeVエネルギー領域での素粒子実験において、衝突点付近での粒子崩壊点検出器の「空間分解能の高さ」は物理解析上鍵となる重要な役割を果たす。我々はその最有力候補として3次元的に飛跡検出を可能にする電荷結合素子(CCD)をとりあげR&Dを行った。 高感度CCD素子は一般に微量光検出や、X線検出等に利用されているが、暗電流抑制のため低温(-50℃以下)にて動作させるのが普通であるが、我々の用途では、様々な制約より、常温付近(〜0℃)での運転を目指している。 本年度、実際にCCDを多層並行に設置して、高エネルギービーム照射実験を1)運転温度、2)ビーム入射角、3)入射ビーム運動量をそれぞれ変えつつ2回にわたって行い、以下のことが明らかにした。 ・世界で初めて常温付近運転で最小イオン化粒子の飛跡を十分なS/N(>10)でとらえることに成功した。 ・検出効率が極めて100%に近いこと(0.06%の範囲内で)を実証した。 ・位置分解能の入射運動量依存性を測定し、物質によるクーロン多重散乱の効果を正確に実測した。 ・その結果、ピクセルサイズ24μmのCCDについて、位置分解能3.0μmを達成した。この値はCCD飛跡検出器として低温下にて運転中の最先端実験である米国SLD実験での達成値4.6μmを凌ぐ値である。 また、来年度行う予定である、放射線損傷測定の際必要となる、 ・電荷転送効率測定のための外部コントロール可能なX線シャッター装置を開発した。
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Research Products
(1 results)