1999 Fiscal Year Annual Research Report
マンガン酸化物の生成・成長過程とその鉱物組成に関する研究
Project/Area Number |
09640585
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
佐藤 義夫 東海大学, 海洋学部, 教授 (70056315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹松 伸 理化学研究所, 加速器基盤研究部, 研究員 (70087451)
小野 信一 東海洋大学, 海洋学部, 教授 (20152530)
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Keywords | マンガン酸化物 / マンガン酸化バクテリア / 海水 / 溶菌 / マンガン酸塩 / 酸化 / マンガン酸化活性 / 蜂の巣構造 |
Research Abstract |
本年度は,本研究の最終年度にあたるため,微生物の媒介に伴い生成したマンガン酸化物の鉱物の同定および研究のまとめに重点を置いた.その結果,以下のことが明らかとなった. マンガン酸化バクテリアの媒介によって酸化物が生成・成長する過程は,最初にバクテリアが付着物(ポリウレタンフィルター,スライド・ガラスなど)にばらばらに付着し,その後集菌する.それらは,集塊状になった後溶菌する.溶菌と共に,マンガン酸化物が沈殿を開始し,ドーナツ状,ドーム状を経て,カリフラワー状に成長する.ドーナツ状になった段階で,酸化物表面に,マンガン酸塩(manganate)特有の蜂の巣状構造が見出された.また,海水中で微生物の媒介によって生成するマンガン酸化物の鉱物が,いろいろなマンガン酸化バクテリアと海水の組み合わせを用いて調べた.その結果,hydrohausmannite,10Å manganate(buseriteあるいはtodorokite),feitknechtite(β-MnOOH)およびunnamed MnO_2 mineral(JCPDS Card:42-1316)が生成したが,マンガン酸化物が生成しない組み合わせもかなり存在した.各鉱物は,中間物質を経ることなく,Mn^<2+>の酸化によって直接生成したものと考えられる.バクテリアのマンガン酸化活性が高いときには,酸化状態の高いMn(IV)の酸化物が,それが低いときには,Mn(III)の酸化物が,それぞれ生成することが分かった.
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Research Products
(2 results)