1997 Fiscal Year Annual Research Report
特異なIN-OUT骨格を有するトリネルビタン-白蟻の外敵防御物質-の金合成
Project/Area Number |
09640647
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
加藤 忠弘 東京理科大学, 理学部, 教授 (20004319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星川 雅浩 東京理科大学, 理学部, 助手 (00287468)
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Keywords | 12-ジヒドロセンブレン / 光学活性セコトリネルビタン / ポリエン環化反応 / シロアリ / 外敵防御物質 / IN-OUT骨格 / トリネルビタン |
Research Abstract |
以下の2点について検討した。 1.(1R,12S)-12-ジヒドロセンブレンの大量合成と光学活性セコトリネルビタンへの誘導; 我々は予備実験において以下のことを行った。すなわち、R-(-)-シトロネロールから誘導したグリニヤール試薬とゲラニオールの酸化反応によって調製したアセテートのカップリング反応を種々検討し、少量実験では定量的にカップリング反応が起こり、カップリング体を与える。カップリング体から誘導した酸塩化合物は45%の収率で(1R,12S)-12-ジヒドロセンブレンに変換可能である。このルートには二つの大きな問題点がある。一つはカップリング反応をグラムスケールで行うと収率が著しく低下すること。もう一つはセンブレン骨格への環化反応の収率が満足出来るものでないことである。この二点を解決する為に種々検討した。残念ながら、当面の目標であるセコトリネルビタン骨格の構築ルートの確立には至らなかったが骨格構築に重要と期待できる鍵中間体を大量に合成するルートの開発を成功した。 2.三環性合成中間体の大量合成とトリネルビタンへの変換反応の検討;三環性合成中間体に至るには多段階の反応工程を経なければならないがこれを充分な量を確保し、中間体から天然物、トリネルビタンへの誘導を検討する。この課題に関しては多大の発展をみた。現在、最終段階に到達している。
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