1997 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーケミカル反応による硬質炭化ホウ素から成る傾斜機能表面の創成
Project/Area Number |
09650135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中本 剛 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30198262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 克彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80262856)
森 敏彦 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90023340)
山口 勝美 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40023056)
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Keywords | 炭化ホウ素 / YAGレーザー / レーザー焼結 / X線回析 / 成膜 / 膜硬度 / 造形 / ビーム描画 |
Research Abstract |
本研究は,黒鉛粉末とホウ素粉末の混合粉にYAGレーザービームを照射して炭化ホウ素(B_4C)を合成し,基盤上に炭化ホウ素膜を生成することを目的としている.炭化ホウ素は硬度が高く,研磨剤としての応用は考えられているが,難焼結材料であり,その性質を十分に生かして利用されているとは言い難い.本研究の手法によれば,YAGレーザービームからの熱と炭化ホウ素合成時の熱により,焼結反応も促進される上に,基盤との間に反応層も生じ,基盤との密着が強固になることも期待できる. 本実験では,まず最初に,この方法で炭化ホウ素を合成することができるか試した.黒鉛粉末とホウ素粉末の混合粉の圧粉体にYAGレーザービームを照射し,合成された物質をX線回折で調べ,炭化ホウ素が合成されていることを確かめた.そして,ビーム照射条件,加工雰囲気による炭化ホウ素の生成状態を検討した. 次に,上記予備実験に基づいて,実際に基盤上で炭化ホウ素を生膜した.黒鉛と炭化ホウ素の粉末から成る混合粉だけでも生膜は可能であったが,基盤との密着は弱い.このため,混合粉にマグネシウム粉末を添加して,マグネシウムの酸化熱により,炭化ホウ素の合成反応を促進し,基盤との密着を強固にした.成膜前に基盤に塗布する黒鉛とホウ素粉末の混合粉の圧粉圧力が高いほど合成された膜の硬度は高くなり,現在のところ,その値はビッカース硬度で1600(16GPa)程度である. 最後にこの手法を構造物の造形に応用した.圧粉体にビーム描画することにより,高アスペクト比(高さ/幅)をもつ構造や,マイクロパイプを製作した.
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