1997 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子ヒステリシス補償による6自由度超高精度微動台の開発
Project/Area Number |
09650161
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
久曽神 煌 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20016661)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 浩巳 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60272861)
|
Keywords | 圧電素子 / アクチュエータ / 高精度位置決め機構 / オープンループ制御 / ヒステリシス非線形性 / 多項式近似 / 線形化 / 反転電圧値 |
Research Abstract |
圧電素子は高分解能,高剛性,高速応答性に優れたアクチュエータとして,高精度位置決め機構に広く利用されている。しかしながら,圧電素子をオープンループで制御した場合,その位置決め精度はヒステリシス非線形性により大きく制限される。 ここでは圧電素子の印加電圧に対する変位のヒステリシス特性を実験的に解明した。そして,ヒステリシス曲線を多項式で近似した結果,ソフトウェア的にヒステリシス特性の線形化が可能となった。 (1)パラメータとして印加電圧の増減が反転する時の電圧値(反転電圧値)を導入した。その結果,過去の履歴に関係なく,等しい反転電圧値から派生するヒステリシス曲線の形状は最大偏差±0.05mumと非常によく一致することが分かった。 (2)印加電圧の増加に対するヒステリシス曲線に3次多項式近似を,電圧減少に対する曲線に2次多項式近似を適用した。その結果,ヒステリシス線形近似をした場合に比べて,伸縮量の最大定常偏差は0.8mumから0.1mumまで減少した。特性の経時変化は少なく,数日後の実験でもヒステリシス補償効果の低下は見られなかった。 (3)本補償法をオープンループ制御による2自由度微動機構の操作に適用した結果,位置決め精度,ヒステリシスおよび他方向への干渉が改善され,位置決め精度±0.2mumを確認した。 (4)可変ゲインを持つフィードバック系による伸縮量の制御を行った。可変ゲインは本補償法で推定されるヒステリシス曲線の接線の傾きとした。この結果,ヒステリシスに起因する伸縮方向による応答速度の違いを動的に補正できた。
|