1998 Fiscal Year Annual Research Report
圧電素子ヒステリシス補償による6自由度超高精度微動台の開発
Project/Area Number |
09650161
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
久曽神 煌 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20016661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯部 浩巳 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60272861)
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Keywords | 多自由度位置決め / 非接触測定 / 圧電素子 / 空間座標測定 / レーザートラッキング |
Research Abstract |
近年,ロボットなどを使用する生産現場において,生産効率の向上および高精度な製品加工が要求されている.そのために,ロボットマニピュレータ,工作機械などの空間内を移動する物体の位置や姿勢を高精度,かつ動的に測定する手法の開発が求められている.この条件を満たす測定方法の1つとして,三角測量の原理を用い,被測定物にターゲットを取り付け,レーザ光を制御してターゲットを追尾し,レーザの方向ベクトルからターゲットの空間座標を算出しする方法がある.この場合,座標測定精度は,レーザを制御するミラー回転機構の角度分解能に大きく依存する. 本研究では,座標測定精度を高めるために,粗動回転機構と超高精度微動回転機構を組み合わせたレーザトラッキングステーションを使用した高精度空間座標測定システムを提案する.微動回転機構のアクチュエータとして,微小変位を高速,高精度に制御できる圧電素子を使用する. 圧電素子の変位量は100V印加時で約6μmである.本空間座標測定システムは,ターゲットまでの距離がトラッキングステーションから1mの地点において200μm×200μmの測定範囲を目標としたため,微動トラッキングステーションはα方向,β方向それぞれに±100μrad以上回転させる必要がある.3個の圧電素子ホルダを接近配置した結果,要求された測定範囲を満たすことができた. 3自由度微動機構(α,βおよびz方向)を微小ステップ送り駆動した結果,Z方向の位置決め分解能は30nmであった.同様に,αおよびβ方向の角度分解能は,1.5μradであった.これらの値は,変位センサのノイズレベルで制限される測定分解能15nmおよび0.5μradに近い値になった.トラッキングステーションの位置決め分解能を空間座標測定システムの測定分解能に換算すると,トラッキングステーションから1m離れた地点での3μmの測定分解能に相当した.
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