1998 Fiscal Year Annual Research Report
発熱・吸熱反応を伴う粒子充てん層内の熱および物質伝達
Project/Area Number |
09650246
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 英夫 九州大学, 工学部, 助教授 (70150505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 正規 九州大学, 工学部, 助手 (30037858)
吉田 駿 九州大学, 工学部, 教授 (30037741)
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Keywords | 吸着剤充てん層 / 熱・物質伝達特性 / 吸着反応 / 脱着反応 / ゼオライト / 水蒸気系 / 吸着剤熱交換器 |
Research Abstract |
本研究は,発熱・吸熱反応を伴う粒子充てん層内の熱および物質伝達の一般的な特性を明らかにするとともに,その予測モデルを確立することを目的としている. 本年度は,吸着剤ゼオライト13X/水蒸気系について,吸着反応の追加実験を行うとともに,新たに脱着反応に関する実験を行って,以下の成果を得た. 1. 蒸発器の能力の制限を受けない条件で粒子径および層厚さを変えた吸着反応の実験を行い,吸着反応速度は,粒子径が小さいほどまた層厚さが厚いほど低下することを確認した. 2. 粒子径が小さい場合あるいは層が厚い場合の充てん層では,吸着反応開始直後から比較的長い時間にわたって,水蒸気流動方向に大きい圧力差が生じている. 3. 上記2.の結果も含めて,吸着反応を妨げる層の熱伝導の抵抗および物質(水蒸気)伝達の抵抗の影響を検討し,吸着速度の大きい反応初期段階では.層の熱伝導の抵抗に加えて浸透の抵抗も無視できないことを明らかにした. 4. 吸着剤粒子を接着剤で固めて成形した結合層の吸着反応は,通常の粒子層と比べて,反応後半部では層の有効熱伝導率の増大により改善されるが,反応前半部では浸透の抵抗の増大のため改善されないことを明らかにした. 5. 脱着反応においても,吸着反応と同様,粒子径が小さく層厚さが厚いほど,反応速度は低下する. 6. 吸着量の経時変化を無次元表示することにより,脱着吸反応,粒子径,層厚さおよび粒子層と結合層の違いによらず1本の曲線で表すことができる. 7. 本研究で得た吸着および脱着反応に関する実験データは,吸着剤粒子充てん層内の熱および物質伝達に関する理論解析を行う際の基礎的かつ有用なデータとなる.
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Research Products
(2 results)