1998 Fiscal Year Annual Research Report
TLM逆伝搬アルゴリズムのよる超音波CTシステムの開発
Project/Area Number |
09650269
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土屋 隆生 岡山大学, 工学部, 助教授 (20217334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若槻 尚斗 岡山大学, 工学部, 助手 (40294433)
加川 幸雄 岡山大学, 工学部, 教授 (10019200)
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Keywords | TLM法 / 超音波CT / 逆伝搬 / 再構成画像 / 離散ホイヘンスモデル |
Research Abstract |
前年度に開発されたTLM逆伝搬解析プログラムによる2,3の数値実験と超音波CTシステムの検証実験を行った。 前年度の数値実験では音源を点波源と考えていたが,より現実に近いモデルとして音源が大きさを持つ場合について数値的な検討を行った。その結果,音源が大きさを持つとビームが形成されるため,再構成画像に影響があることがわかった。再構成に最適なビームの選択は今後の課題である。 つぎに数値実験の結果を検証するために,数値実験と並行して試作された超音波CTシステムを用いて検証実験を行った。まず,中心周波数200kHzの超音波振動子を用いて超音波パルスを発生させ,ハイドロホンで受波した。振動子の前面数カ所でパルス波形を観測し,TLM逆伝搬解析プログラムの順伝搬モードによる結果と比較したところ定性的に一致した。つぎに逆伝搬解析であるが,本手法は断層像を得るために多数点で観測されだ波形データを必要とする。そこで3次元リニアアクチュエー夕でハイドロホンを移動し,再構成対象領域の周辺で自動的に音圧波形を受波するシステム構成にした。S/Nの向上を図るために各受波器からの信号は低雑音のプリアシプにより増幅した後,受波信号はデイジタルストレージスコープで量子化し,イーサネットを介してデータ解析装置へ転送した。開発されたTLM逆伝搬解析プログラムに対象体がない場合の観測データを入力し,逆伝搬解析を行ったところ,音波が受波器に戻っていく様子が確認された。また,寒天にタングステン粉を混ぜて減衰を人工的に大きくしたファントムを対象体として観測したところ,ファントムの輪郭がぼんやりと再構成されたが,まだ十分とはいえない。より鮮明な画像を得るためには,計測システムの機械精度等の調整を行う必要があろう。
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