1997 Fiscal Year Annual Research Report
分散型電源群からなる電力システムの安定性に関するマイクロマシン模擬実験研究
Project/Area Number |
09650318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大澤 靖治 神戸大学, 工学部, 教授 (80026294)
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Keywords | 電力システム / 分散電源 / 同期発電機 / 系統安定度 / 串形系統 / ループ状系統 |
Research Abstract |
本研究は、串形系統の両端を接続してループ状系統にすることによる安定度(定態安定度)の変化のシミュレーション結果を実験的に確認するとともに、極めて多数の発電機群からなる電力系統を動的分布定数システムとして解析することの妥当性を検証することを目的として、実験的な検討を行うものである。本年度の研究実験結果ならびに得られた成果は以下の通りである。[模擬実験装置の製作]超小型交流発電機(自転車のライト用単車8極永久磁石同期発電機)をはずみ車を介して直流モータ(12V,7.2W,4700rpm)に直結して1セットの分散電源(マイクロマシンセット)とし、これを5セット製作した。付属のランプ負荷に対して出力がほぼ定格となり、回転速度の調整が容易となる240Hzを定格周波数に選んだ。送電線(配電線)を模擬するインダクタは自作した(半径11.5cm,長さ21.5cmの円筒に直径2mmのエナメル線を2層に巻いたソレノイドコイル.約7mH)。[模擬実験の結果]3機串形の系統構成とし、送電線模擬インダクタを7mHで負荷抵抗を変化した場合、22Ωでは安定、21Ωでは不安定であった。3機でループ状構成にすると16.5Ωまで安定であり、ループ状の方が定態安定度がよいというシミュレーションの結果が確認できた。[シミュレーションの結果]ループ状の系統構成からさらに進めて、メッシュ状に電源が接続された場合を想定して、定態安定度の計算を行った。その結果、串形やループ状の系統構成の場合よりも複雑な動揺モードが現れることが明らかになった。 以上、製作した超小型発電機を用いた模擬実験装置でも、定性的には定態安定度の実験ができることがわかったが、計算結果とのずれが大きいので、次年度はそのずれの原因を解明するとともに、動的分布定数システムとしての解析を進める予定である。
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