1998 Fiscal Year Annual Research Report
分散型電源群からなる電力システムの安定性に関するマイクロマシン模擬実験研究
Project/Area Number |
09650318
|
Research Institution | KOBE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大澤 靖治 神戸大学, 工学部, 教授 (80026294)
|
Keywords | 電力システム / 分散電源 / 同期発電機 / 定態安定度 / 串形系統 / ループ状系統 |
Research Abstract |
本研究は、串形系統の両端を接続してループ状系統にすることによる安定度(定態安定度)の変化のシミュレーション結果を実験的に確認するとともに、極めて多数の発電機群からなるさらに複雑なループ構成の電力系統の定態安定度を解析することを目的として行ったものである。研究実施結果ならびに得られた成果は以下の通りである。 1. 模擬実験装置の製作:超小型交流発電機をはずみ車を介して直流モータに直結して1セットの分散電源(マイクロマシンセット)とし、これを5セット製作した。出力がほぼ定格となり、かつ、60Hzの倍数であるため回転速度の調整が容易となる240Hzを定格周波数に選んだ。送電線(配電線)を模擬するインダクタは自作した。 2. 模擬実験の結果:3機系統、4機系統、5機系統のそれぞれについて、串形の系統構成とループ状の系統構成で、負荷を増加して定態安定限界を測定した結果、いずれの系統においてもループ状系統の方が定態安定度がよいというシミュレーションの結果が実験的に確認できた。 3. ループを含むさらに複雑な系統のシミュレーション結果:ループ状の系統構成からさらに進めて、はしご形に電源が接続された場合を想定して、定態安定度の計算を行った。連系線インピーダンスを変化させることによって、このような構成の電力系統は串型系統やループ状系統の性質を共有していることが明らかになった。 本研究では分散型電源として同期発電機のみを考えたが、現実は、直流電源の出力をインバータで交流に変換して交流電力系統に接続するタイプの分散型電源も多数存在する。今後、これらも考慮した解析が必要であると考えている。
|