1997 Fiscal Year Annual Research Report
人間を直接把持する救助ロボットのためのマルチセンサ制御システム
Project/Area Number |
09650488
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
増田 良介 東海大学, 工学部, 教授 (70157212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 茂人 東海大学, 工学部, 助教授 (20287030)
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Keywords | 救助ロボット / 災害支援ロボット / レスキューロボット / マルチセンサ制御 / 人間ハンドリンク / マルチセンサハンド |
Research Abstract |
本研究は人間を直接ハンドリングする救助ロボットのセンシングシステムおよび制御システムを開発する事を目的としている。本研究では、まず被災者を直接救助する方法についての動作分析と検討を行い、救助ロボットの基本的形態と機能を設計した。つぎに、人間を把持するためのロボットハンド部とそこにおける各種センシング機能に関する検討を行った。ここでは、既存の小型産業用ロボットのハンドに外力順応型ハンド機構を採用し、感圧導電性ゴムによる分布型触覚センサ、6軸力覚センサおよびボール型すべり覚センサを配置してマルチセンサ系とした。このセンサハンドを備えた主アームの他に、引き起こした被災者を支えるための補助アームを設置し、双腕型とした。さらに、本体部分の移動部に、クローラ機構を採用した移動機構を備えることにした。 マルチ触覚センサ情報は融合処理され、把持方法の決定、把持力の制御および引き上げ軌道の修正に用いると同時に、被災者に危害が及ばないよう安全確保のために用いた。さらにこのロボットには、被災者位置計測・把持部設定用および作業監視用の2つのCCDカメラによる視覚センサを備えることにした。 これらの機構を持つ救助ロボットの小型モデルを試作し、被災者ダミ-人形の救助作業実験を行った。ダミ-に対して、接近し、手首部分を把持し、把持部を引くことにより上半身を引き起こし、補助アームで横から抱き込むように支える救出・搬出作業の基本部分を安全に実現することができた。今後は、さらに多様な状況に対応するため双腕の協調制御、センサ情報処理の高速化と多様な情報の抽出、救出動作の確実性の向上などについて検討を加え、救助ロボットシステムの実現のための基本データを収集することにした。
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