1998 Fiscal Year Annual Research Report
建築物周りの非定常流れ場の数値計算に用いる流入変動風速の生成に関する研究
Project/Area Number |
09650626
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00190570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 泰雄 京都大学, 防災研究所, 助手 (70201994)
平岡 久司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80115922)
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Keywords | 建物周辺気流 / 非定常流れ場 / 数値計算 / 流入変動風 / LES |
Research Abstract |
実際の建築物は市街地のように周辺に種々の障害物を持った場所に立つことが多いので,接近流は周囲の影響を受けた乱流となり,その性状も多様である。本研究では先ずはじめに,条件付確率場の理論を用いた流入風速変動の生成法により,既知波形を含む風速変動を周波数空間における補間により生成した。その際,パラメータの検討,計算手法,モデル化,補間方法等に関する問題点を明らかにし,それらへの対応を検討した。その結果,種々の性状を持った風速変動を人工的に発生させることができ,それらを流入条件として,ラージ・エデイ・シミュレーション(LES)によって乱流境界層の乱流場の数値計算を行った。実験結果等との比較によって,計算手法,モデル化,補間方法等に関する問題点を明らかにした。さらに統計的性質の異なる流入風速変動を用いて,それらが,下流の計算領域の気流性状のどのような影響を与えるかを調べ,人工的に発生させた風速変動を流入条件として使う場合には以下のような点に注意しなければならないことを明らかにした。1;LESによる乱流境界層の数値計算で平均風速場に関して妥当な計算結果を得るためには,少なくとも流入境界条件として用いる変動風速場の平均,分散,パワースペクトルを再現する必要がある。2;さらに空間相関も再現することによって,変動場に関してもより妥当な計算結果が得られる。3;今回の計算では,下流の計算領域で流れが物理的に適切な乱れの構造をもつようになるためには,上流の粗度要素の高さの約10倍以上の距離が必要である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 丸山 敬: "流入境界面における乱流統計量の違いがLESによる乱流境界層の計算に及ぼす影響について" 日本風工学会誌. No.74. 35-45 (1998)
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[Publications] 丸山勇祐: "LESを用いた乱流境界層中における3次元角柱まわりの数値解析" 京都大学防災研究所年報. 第41号. 279-286 (1998)
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[Publications] 丸山 勇祐: "人工的に生成した流入変動風を用いたLESによる3次元角柱周りの乱流場の計算" 日本建築学会大会学科講演梗概集. (1998)
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[Publications] T.Maruyama.: "On the Influence of Turbulence Characteristics at an Inlet Boundary for LES of a Turbulent Boundary Layer." International Journal of Experimental Thermal and Fluid Science. (予定). (1999)
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[Publications] T.Maruyama: "Large eddy simulation of the turbulent boundary layer behind roughness elements usmy an artificially generated inflow" Journal of Wind Engineering and Industrial Aerodynamics. (予定).