1998 Fiscal Year Annual Research Report
傾斜地盤に設置された杭の地震時水平挙動に関する基礎的研究
Project/Area Number |
09650629
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
冨永 晃司 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 教授 (10067720)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徐 挺 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助手 (70274131)
山本 春行 広島大学, 大学院・国際協力研究科, 助教授 (60158293)
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Keywords | 傾斜地盤 / 水平荷重 / 群杭基礎 / 極限状態 / 模型実験 / 群杭効率 / 解析法プログラム |
Research Abstract |
本年(平成10年)度は、まず計画していた群杭の模型試験を実施した。試験は、昨年度に単杭試験用に改良し実施した「地盤移動型水平加力試験装置」を用い、杭頭自由で杭間隔3D(D:杭径)の4本群杭(杭径=2.0cm、肉厚=0.1cmのアルミニウム管)について行った。試験の種類は、地盤の傾斜角度θ(加力方向に対して反時計方向を正)をパラメータとして、θ=-32゚、-17゚、0゚+17°、+32゚の計5種類である。これらの試験を通して、以下の新しい知見が得られた。 1) 単杭と同じように、傾斜角度θが正側に増加すると杭-地盤系の水平抵抗剛性は増加し、反対に負側に大きくなると低下する。また、終局時の水平抵抗力はθが正側より負側の方が小さくなるが、終局状態に至る杭頭水平変位量は逆に大きくなる。 2) 群杭の加力方向の前方に位置する列杭(前方杭)の杭頭負担せん断力は後方列杭(後方杭)より大きく、その割合はθが増大すれば増加する。 3) 群杭効率値としての同一変位量下での群杭と単杭の杭頭せん断力比は、変位量の増大に伴って増加しながら一定値に収束する傾向があるが、θが負値より正値の方が大きい値を示す。 5) 作成した解析プログラムで群杭の実験結果を解析した結果、ほぼ弾性範囲では良好な一致を示すが、抗体および地盤の塑性化が進行するにつれて若干の差異が生じる。 以上の研究において、杭および地盤の塑性化が進んだ場合に解析値と実験値とが若干の差異が生じる結果が示されたが、この原因は塑性地盤反力の評価法にあることが判明した。現在は、塑性地盤反力のより適切な評価法を開発中である。
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